2015.03.03
Zher the ZOO YOYOGI 10th Anniversary~Live Goes On !~
"「HERE COME THE GIRL'ZOO」 Release Party day 1"

RETO/Neat's/浜田マロン/川崎レオン/amenoto
DJ> 林束紗(ex.SCARLET)

 2005年3月3日にオープンしたZher the ZOO YOYOGIが10周年を迎えた。それを記念してガールズ・バンド、アーティストを集めたコンピレーション・アルバム『HERE COME THE GIRL'ZOO』をリリース。オープン記念日で桃の節句でもある3月3日と、4日の2日間にわたってレコ発イベントが開催された。コンピレーションに参加した全14組から、2日間で11組が出演し、コンピレーションCDも流通販売に先駆け、会場にて先行発売された。

 開場と同時にDJスタート!今回、DJで林束紗が参加してくれた。昨年末に突然解散したSCARLET。彼女がコンピに提供した曲「HOW TO SAY」は、SCARLET以前にソロ作品として録られた貴重な未発表曲なので必聴です! また林束紗は出演アーティストのリクエストも汲みとっての選曲で、ライブ前からフロアの熱気を高めてくれた。

 ピアノとドラムが横から向き合う様に並んだステージに川崎レオンと、ドラマーの高橋洋祐が登場。川崎レオンが身体を揺らしながらピアノを奏で歌い、ドラムがグルーヴを加速させる。時折ジャズっぽいアプローチも聴かせる小粋な雰囲気のなか、2曲目にコンピ収録曲の「先生」を披露。即興的なピアノの伴奏に乗せ自己紹介をし、自由にライブを進めていく。また今年2月から音楽配信サイトMajixでリリースされた「Darling」は、彼女にしては珍しいラブソングとのこと。彼女は笑顔で歌っていても、どこか切なさが漂うように見える。それは、22歳という若さゆえの言葉と歌が心を揺さぶるからだろう。

 ワンピースに裸足の石井翠がサポート・バンドと登場。全詞曲を手がけるVo/Gu石井翠のソロ・プロジェクトとして2013年夏より始動したamenoto。ネガティヴな世界観を、オルタナティヴ、シューゲイザー、ポストロック等をベースにしたサウンドに乗せ放つ。サポートするメンバーはGu.磯谷直史(THE ANDS)、Ba.高原未奈、Dr.杉山高規(wash?)といった凄腕の面々。1曲目「ハロー」から石井の孤独な魂があふれ、聴く者に訴えかける。コンピに収録された「アンドロイドの夢」は、社会に上手く溶け込めない彼女が“人間仕様の脳が備わっていないのかも”と思い悩む日々の中でできた曲とのこと。

 ステージ上にトイピアノ、シンセ、サンプラー、iPad、エレキギター等が準備され、Neat'sが登場。新津由衣によるソロ・プロジェクトで、作詞・作曲・編曲を手がける彼女のベッドルームから発信される変幻自在のファンタジー。この日は、バンド・スタイルのライブと並行して行っている、1人で“Bedroom Orchestra”と称したスタイルでのライブ。1曲目からコンピ収録曲「MOA」を鍵盤とタンバリンを同時に奏でながら披露。続く「宙返りパラソル」ではループ・マシーンを駆使し、「Zher the ZOO 10周年おめでとう」という、この日ならではの言葉を幾重にもループさせて驚かせた。途中、バンド・メンバーでもある林束紗に「DJの選曲、最高!」と声をかけるひと幕も。楽曲毎にサウンドと雰囲気をガラッと変えて進む彼女の世界をたっぷり堪能できた。

 RETOは女性Vo/Gu.小山結衣と3人の男性メンバーからなる4ピースバンド。コンピ収録曲の「ケセラ」からライブはスタート!とびきりポップなメロディと、キャッチーな小山のキャラと歌声が響きわたる。「君は僕のロックスター」では、加藤のハードなギターと、Dr.杉原&Ba.大阿久によるリズム隊のグルーヴが、小山の歌をより自由に泳がせる。またバラード曲「トマト」では彼女の心情が切々と歌われ、明るくポップなだけではない面も見せる。小さな身体をふり絞って歌う姿に圧倒された。そんなRETOは4/18に下北沢CLUB Queでワンマン・ライブを行う。また、新曲のPV撮影を行うにあたって現在、エキストラも募集中。どちらも参加必至です!

 初日のトリを飾ったのは浜田マロン。Gu、Ba、Dr、Key、Sax、Trpによるバンド・メンバーを従えての総勢7人によるライブはエンターテイメント性たっぷりなショウと呼びたい。昭和歌謡、ジャズ、ブルース等をベースにした楽曲と、セクシーな衣装で妖艶さをふりまきながら歌う浜田マロンに圧倒させられる。場末のキャバレー的な雰囲気のなか人懐っこいMCで魅了し、キュートな「トキメキセンチメンタル」へ。そして、コンピ収録のために書き下ろした楽曲「踊れ IN THE ZOO」を放つ!ダンサブルなアッパーチューンで、タイトルどおりフロア全体が踊り出す。地下の階段を降りた先が自分たちの遊び場だっていうメッセージにも聞こえる。何より、Zher the ZOOをテーマにした曲を作ってくれた気持ちが嬉しい。続く「マヤカシのブルース」でもブルージーに歌い上げつつも踊らせる。そんな浜田マロンはフリーペーパー「PINHEAD」最新号で表紙を飾っている。無料CD付きなのでぜひ、ゲットしてほしい。「カラス」で幕を閉じるも、アンコールは鳴り止まず、再び「踊れ IN THE ZOO」を披露という驚きのサプライズで、フロアを最高潮にして初日を締め括った。

(文:田代洋一/撮影:田代洋一)

林束紗(ex.SCARLET) DJ> 林束紗(ex.SCARLET)


川崎レオン 川崎レオン


amenoto amenoto


Neat's Neat's


RETO RETO


浜田マロン 浜田マロン


BACK