結成
篠塚: 前に組んでいたドイツオレンジって言うバンドがあったんですけど、メンバーが全員脱退するってことになって。
二位: 全員脱退!?凄い状態だね。
篠塚: 正確に言うと、解散だと思うんですけど。今思えば。
二位: それでも世界が続くならは2011年からだよね。ドイツオレンジは何年間くらいやってたの?
篠塚: 僕が歌う前にヴォーカルがいた状態を含めると、15年ですかね。まぁ、その後、二人が抜けて。理由は病気だったり、子供ができたり だったんで。同級生なんですけど、解散か脱退か好きにしていいよって。後でも解散って言えるからとりあえず脱退にしとくかって感じ で。その理由も、しのは同じような曲しか作れんでしょっ、いきなり音楽性かわらないでしょって言われて、前の曲も歌えるようにって ことで脱退してくれたんですよね。ドイツオレンジの曲やってるじゃんて言われないように。ドイツオレンジの名前を残してくれて。
﷯二位: へ~。逆に気を使ってくれた感じなんだ。
篠塚: そうですね。ある種、頑張れよと。
二位: それで、結果的には独りになったの?
篠塚: ドイツオレンジは解散しようかなとは思っていたんですけど、けっこう悩みましたね。15年やって たから。千葉LOOKにもお世話になったんですけど、斎藤さんもある意味呆れてましたし。「お前 どうすんの?」って。結構、呆れつつ心配されてました。でも、自分的には「出来ないかも…」っ て思ったりもしてて。その時、別でギターで参加してたバンドも辞めちゃったんでね。僕はもとも とギタリストだったし、歌うことに執着しなければ大丈夫なのかなと。そんなに歌いたいわけじゃ ないし、ギタリストで頑張ろうかなって気持ちがでてきたんですね。
二位: そのバンドとドイツオレンジはどっちが先に辞めちゃたの?
篠塚: ドイツオレンジが先に終わってしまってました。
二位: ドイツオレンジに専念しようとしたら、メンバーがまさかの脱退だ。 ドラマー倒れる
篠塚: 脱退のきっかけはLOOKのライブ中に倒れたんですよ。サビに入る時に、ドンって音が鳴るんですけど、その瞬間にバタって倒れてしまって。
二位: えっ!誰が?
篠塚: 当時のドラムですね。何て言ったら言いんですかね~あれは。病院行ったら心臓系っていうか、発作じゃないんですけど、不整脈なリズ ムの感じと、フロアタムを叩いた瞬間の振動がちょうどビンゴしてしまったんでしょうね。ドンって。
二位: えーっ! 本当!?
篠塚: ドンって鳴って、サビが来ないと思ったらバタンと倒れていて、こっちも「えーっ!!」って。リハ中で、これはリアルに「どうしよ う?」な感じでして。
篠塚: 病院から帰ってきて演りましたよ、俺ら。もうやりますよ、それは。斎藤さん(千葉LOOK店長)から教わったことで「LIVEはキャンセ ルするな!」ですから。
二位: (笑)
篠塚: 僕らが約束してたのは、もし誰かが当日死んだとしても、一人でもステージに上がって曲順通りにやって、そのまま独りで演って帰る。 そのくらいの気持ちを持っているんで。
二位: あの、酒の席でそうあるべきだよね~みたいな冗談は言うけど。マジな信念なんだね。でも、やっぱり苦境でも止めるより、演った方が 長い目で見て結果が良かったことが多いね。そういう時ってバンドも「えっー、やるんですか!」みたいな感じになるんだけど、俺も斎 藤さんと同じでさ、少なからずお客さんが来るんだからさ、これで何もなくサヨナラはないよね、できる事は何かしらやろうぜって。そ したら、それが感動したりするんだよね。些細な事でもね。クヲリティではないよね。
篠塚: あ~、分かります。そういうもんですよね。
二位: それでお客さんが増えたりすることもあるから。
篠塚: そういうもんですよ、やっぱり。僕らの時は、まだtwitterとか無かった時だったから、そのドラムが倒れたとを発表することはしなかっ たし、ステージ上でも言わなかったんですけど、お客さんは普通に観ているんだけど、ライブハウスのスタッフさんや対バンの人が泣い ているっていう。感動してくれていて。外に向けて言ったほうが美味しかったかもしれないんですけど。言わない方が俺たち的に はね。絶対そんなことは言わないっていうロックバンドみたいなカッコよさですかね。
二位: これは会場がホールだったら駄目だろうけどね。ライブハウスってある種甲子園的な感動が有るじゃない。エラーも感動のネタみたいな(笑)。
篠塚: なるほど。

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