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Live Report ライブレポート 2001

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2001.1.14
"ビバヤング"
MARBLE DIAMOND/the pillows/MO'SOME TONEBENDER/popcatcher
DJ>北沢夏音/フミ・ヤマウチ


MARBLE DIAMOND

the pillows

MO'SOME TONEBENDER

popcatcher
ここQueで行われるイベントは数あれど、“ビバヤング”ほど、 毎回「とりあえず、観ておいて損はさせませんぜ!」的なメンツと、「とにかく、楽しんで帰ってね!」的なお祭り雰囲気を持つイベントは、他にないだろう。栄えある21世紀最初を飾るビバヤングは、掛け値なしに素晴らしくかっこ良いギターバンドばかりが揃った。トップバッターは、popcatcher。真摯が故の地味で閉鎖的な佇まいに、歯痒さを感じずにはいられないが、その研ぎ澄まされた煌めくようなメロディセンスと、時折り胸に食い込むほどのエモーショナルなエネルギーを宿した音は、バンドとしての唯一無比なる存在感を確かに放っていて、胸に刺さって抜けそうもない。次いで、MO'SOME TONEBENDER。音を鳴らし始めた途端、重く生々しい彼らの音世界に飲み込まれるような感覚に襲われる。余分な肉と感情を削ぎ落とし、骨と魂からのみ発しているような胸に迫る音と、クールさと 切迫感が表裏一体な百々氏の鋭角な声は、鳴り止むまで、その世界に会場を深く沈みこませ、ラスト「アトサキ」の歌詞は、私の耳に頭に心に、深く刻みこまれた。続く、このイベントの主催者マーブルダイヤモンド。彼らがステージに登場しただけで、会場全体が、今までの受け身体勢を、一変して、盛り上がり姿勢に変える。血湧き肉踊る曲達と 、クラヤマ氏のボーカルに煽られ、リョウ氏のドラムに弾けさせられ、新ギタリスト・コウヘイ氏のギターに乗せられ、「わけがわからなくなるくらい、とにかく楽しい!」という気分の中、暴れ放題、踊りたい放題で、あっという間に終わってしまう。ラストは、the pillows。マーブルの時が格闘モードなら、彼らの時はまさに戦闘モード。SEがかかると会場はそんな雰囲気に包まれる。気分次第で新旧問わず柔軟な選曲をやる彼ららしい予想も及ばない曲も混ぜた選曲、その卓抜なセンスの楽曲達と強靱かつ鮮烈な演奏は、奔流のような熱狂と興奮を沸かす。ステージ上の彼らのテンションと、会場を埋める人波のテンションが、時にせめぎあい、時にひとつの塊となる。狂ったように暴れてしまったり、思わず泣けてしまったり今夜も彼らのライブが生む、感情を刺激し解放する光のような何かを痛切に感じさせられたライブだった。そしてアンコールが終わると、祭りの後の寂しさにも似た気分ながらも、楽しさがたっぷり染み込んだ心で、帰路に着く私であった。
(撮影/鈴木恵、文/松田聖子)
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