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Live Report ライブレポート 2002

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2002.3.27
ハシケン



そういえばその昔、テレビでの「えびす温泉」でチャンピオンだったんだなあーと思い出しつつ、今か今かと待ちわびる多くの観客の中で、ライヴが始まるのを待っていた。彼の歌の持つ表現力には定評があったが、1曲目の「グランドライフ」を生で聴いた時、それは確信に変わった。アコギ1本に乗せて、まさに月へと向かう声。しかし、今日のライヴはそれだけでは終わらない。2曲目「スターツアーズ01」からは、サックスにトランペット、スティール・ギターにベース、ドラムス、キーボード、総勢9人のビッグ・バンド・スタイル。インプロで盛り上げてノリノリかと思えば、ソウルフルに歌声を響かす。強者揃いのステージは、観ているものの身体を思わず揺らす。「ヘイ」だの「イェー」だのの、通常のロック・ライヴで行なわれるコール&レスポンスも、ハシケンの手にかかれば合いの手のかけ声となる。観客と共に、にこやかに歌われるその「まんま節」や、レゲエ・バージョンで披露されたL'Arc-en-Cielの「HONEY」など、ハシケンらしさが満載のパフォーマンスに、会場も満足気だ。途中には「夕映え」などのバラードも挟み込み、叙情たっぷりにハシケン・ワールドを繰り広げてみせる。まだタイトルがついていないのに、お客さんから勝手につけられたという「情熱」や、奄美や鹿児島では披露しながら、東京では初めてという楽曲も、次々と演奏。古き良き伝統を引き継ぐ民謡と、レゲエ等のワールド・ミュージックやロックが渾然一体となり、それをわかりやすく、楽しく提示しているのがハシケンの音楽の優れたところだと感じた。アンコールは、板橋文夫の作曲にハシケンが歌詞をつけたという「for you」や、再アンコールには三線1本のみで歌われた「ぴちゃぴちゃ」。2時間という長さも一瞬に思われた熱く濃いライヴだった。
(撮影/鈴木恵、文/松屋恭子)
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