2002.7.21
ここ数年、アルバム・リリースやツアーなどバンドでの活動も順調に成功し、メンバー各々ではさまざまなミュージシャンのサポートとしての活動も展開するなど、大活躍中のPLECTRUM。彼らが一時フラットな状態になってから、再びギアを入れ直して企画した、ゴキゲンなメンツを集結させたイヴェントがこの日、実現した。初夏の日曜日だけあって、ライヴ前のワクワク感と休日のゆるさを抱えたのんびりムードが漂うなかライヴ・スタート。トップ・バッターはGOMES THE HITMANのヴォ-カル・山田が登場し、ギター一本でしっとり聴かせる弾き語りナンバーを次々と披露していく。ポップながらもどこかセンチメンタリズムを感じさせる叙情性あふれるメロディと彼のまっすぐな歌声が、会場をあたたかな空気で包み込んでいた。場内がほんのり熱気を帯びてきた頃、続々と観客も増えてMarauderがステージに。「俺たち、切な系」とMCで何度も言っていたように、切なさも醸し出すようなキャッチーなサウンドが胸にぐっと響く心地よさ。フロントマン3人が曲ごとにヴォーカルを交代して歌う、珍しいスタイルが印象的だ。さらにオーディエンスの体温も上昇するなか、バック・バンドを連れて大所帯で現れたROUND TABLE。のっけから、サックスが渋く流れるスロウ・ナンバーを演奏し、会場の雰囲気をムーディーに染め上げていく。ジャジーな曲からボサノバ調の曲、そして疾走感あふれるアッパーな楽曲までを幅広く演奏し、その実力を見せつける。北川と伊藤を取り巻く管楽器やリズム隊のバランスがよく、彼らの放つグルーヴ感がたまらなく気持ちのよい空間を作り出していた。最後を飾ったのは勿論、企画主のPLECTRUM。「素晴らしい今日のイヴェント、ありがとうございました」とヴォ-カルの高田が感謝の言葉を伝え、1曲目からギターポップ・チューンを炸裂させて会場を揺るがす。力いっぱい演奏する彼らの姿に圧倒されながらも、立て続けに披露される痛快なロックンロールに身をまかせて会場は大揺れに。曲の展開もよく、優れたポップ・センスを持つバンドだと感じた。そういえば、この日最初に登場した山田がMCで「井の頭公園でボートに乗りたいから近くの友達を呼んだんだ。その友達は汗びっしょりで急いでやって来てさ…」と話していたのだが、最後に登場したPLECTRUMの高田が「あのボートの話、呼び出されたのって実は、俺なんだ~」と話し、会場がドッと笑いの渦と化していた。観客の心を掴むのがうまいバンドだと思った。この日の全体の流れとして、ラストにかけてテンポよく盛り上がっていったスムーズな流れが出来ていて、ほとんどの観客は御満悦の様子。思わず、「BOYS OF THE SUMMER」の次の開催にも期待したくなった。"RETURN TO NATURAL 2002 夏の陣" "BOYS OFF THE SUMMER" PLECTRUM/Marauder/ROUND TABLE/山田稔明(GOMES THE HITMAN)
(撮影/澤里明、文/川村英里) ※CLUB Que WEBSITEすべてのコンテンツに使用されている画像の無断転載は禁止です。
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