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Live Report ライブレポート 2002

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2002.7.31
"RETURN TO NATURAL 2002 夏の陣"
cruyff in the bedroom vs dip
opening guest>MARSEESIDE DERBY


cruyff in the bedroom

dip

MARSEESIDE DERBY
昔に比べて今の音楽の広がりたるや目を見張るものがある。洋楽・邦楽というくくりももはや意味をなさなくなり、まさにやっている人の国籍が違うだけという様相を呈してきつつある現状だが、そのくくりの意味のなさを実感するにふさわしい3組が揃った。開演前から気になっていた、ステージ奥で燦然と輝くリンゴマーク。そのpower bookを駆使した、デジタルとアナログの限りない広がりをインストというフィールドの中で見せてくれたのはMERSEESIDE DERBY。マニピュレーターがテルミンを操るような動作でフロアに電子音を響き渡らせば、ツインドラムが強烈なリズムを絡ませて重低音を響かせる。その圧倒的な音圧にくらくらしているとcruyff in the bedroomの登場。オルゴールのような優しいイントロの「nico」から彼らの騒々しくも美しい世界が幕を開けた。溢れるノイズに叙情的な世界。どうしてこんなにも優しく響き渡るんだろう。ラストの「plastique bag」では空の高みに持って行かれそうな透明感に鳥肌すら立ちそうになった。トリをつとめたdipは貫禄すら感じさせる存在感と安定感に満ちており、次々とぶつけられる濃度の高い楽曲に観客もすっかり飲み込まれている。ガツンという衝撃よりもカラダの内側からじわじわと熱くなっていくような感覚に陥ってしまった。3組に共通していたのは音楽に対するストイックな姿勢。そのストイックさが放つ熱に酔わされた夜だった。
(撮影/鈴木恵、文/松永恵理子)
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