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2003.7.27
“vs”という言葉がまさにぴったりだった28日。レポート用のメモ帳も取り出せないほど混み合った会場内に、それぞれのスタイルでロックンロールを体現した2バンドが登場した。DUSKとTHE JERRY LEE PHANTOM、それぞれがお互いをリスペクトし、触発されるように素晴らしいライヴを繰り広げた。表面の感情ではなく心の底辺を吐き出すように鳴らされるDUSKの音楽世界は、静寂と激昂の両極を見せていく。マイペースなMCとは裏腹に、音楽の中の彼らは冷ややかなぐらい沸々とした感情をぶつけてくる。しかしその空気は張り詰めながらもどこか自然体だと思える不思議なものだった。対して瞬く間に会場中が揺れ動いたのはTHE JERRY LEE PHANTOMのライヴだ。音楽は聴き手が楽しもうと思えばいくらでも楽しめるもの。しかし彼らが叩き出す極上のダンス・ロック・ミュージックは、そんな聴き手の態度とは無関係に胸を熱くさせ体を揺らした。強い衝撃とにやけるほどの楽しさ。観客のモッシュの波が、こんなに当たり前で楽しそうに見えたのは久しぶりだった。音楽が、空気よりも空気らしく呼吸に入り込んでくる……。大袈裟ではなく、音楽ってなんてすげえんだ！ と思う瞬間は、どんな感動よりも自らを突き動かす衝動を与えてくれる。そしてこの日空気よりも濃く会場に充満していたのは、そんな音楽に突き動かされたあらゆる人々の衝動のパワーだ。"RETURN TO NATURAL 2003 CLUB Que 夏ノ陣" "2003 VS SERIES" THE JERRY LEE PHANTOM vs DUSK
（撮影／岩井瑞香、文／平川 友紀） ※CLUB Que WEBSITEすべてのコンテンツに使用されている画像の無断転載は禁止です。
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