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Live Report ライブレポート 2005

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2005.1.24
"JUKE BOX"
蝉時雨/残像カフェ/フーバーオーバー


蝉時雨

残像カフェ

フーバーオーバー
当然ながらリアルタイムではないけれど、JUKE BOXってコインを入れて聞く蓄音機だった事ぐらいは知っている。当時の最先端の音楽が、そこには詰まっていたに違いない。そんな今夜のイベントには、“JUKE BOX”の淡く懐かしい匂いの漂うバンドが足を揃えた。一番手は蝉時雨。心地良いポップセンスに、ちょっぴりひねくれた歌詞が曲者の可愛らしい男の子4人バンドなのだ。1曲目の「サンショウウオ」から、Vo.&G.中根氏も勢い良く眼鏡を飛ばし、彼らの闘志をアピールされているような気さえする。新曲として演奏された「骨と皮で」は、“杖をついても一緒にいたい”とストレートに歌う究極のラブソングだった。クールな印象の蝉時雨の中に、素直な人間の感情を垣間見たようで何だかドキドキしてしまう。これからの蝉時雨の世界観がどんな方向を指すのか、楽しみで仕方がない。続くは、日常を優しさで綴る残像カフェ。お馴染みの「4月のことば」からスタートし、新曲「春を歩く人」も惜しみなく披露された。一般的な3ピースバンドで余計な音はないはずなのに、キラめくサウンドの中に自然の風景だったり、春の訪れを感じさせる。ダラダラしているわけじゃないのに、彼らの時間はゆったり進み、間合いは絶妙。中盤の「今宵&みゅーじっく」は、残像を引き締めるスパイス要素であり、3人が交互にボーカルをとる勇姿は、楽しくて仕方ない。MCでVo.&G.大森氏が散々宣伝していた2/9発売のアルバムにも、期待が膨らむ。最後は、意外な事にCLUB Que初登場のフーバーオーバー。黒スーツで身を固めた彼らは、最初から堂々たる極上のグルーヴを魅せつける。そんな骨太サウンドに乗るのは、紅一点、Vo.&G.岩沢嬢の色鮮やかな歌声。早口言葉のように沢山詰め込まれた詞には、一つずつが女の子の気持ちがあって、軽やかで時に重みがあって、女の子ならきっと胸がキュンと鳴っちゃうよ。途中、岩沢嬢がG.を置いてタンバリンで演奏した「御存知より」は、客席側も手拍子をしたくなるくらいの一体感があり、気づけば12曲の演奏は最高のポップ&ロックで、あっという間に過ぎていった。ありそうでなかったこの3バンドの組合せ。世界観が異なっているからこそ面白くて、でも根っこの部分には懐古的サウンドだったり通じるものがあって、かなりの好カードだったに違いない。一日で沢山の刺激をもらった気分だ。
(文/だるまっち、撮影/鈴木恵)
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