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Live Report ライブレポート 2006

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2006.11.26
"胸キュンアルペジオ「福村貴行君の4回忌」"
advantage Lucy/PLECTRUM/ROUND TABLE/vasallo crab75


advantage Lucy

PLECTRUM

ROUND TABLE

vasallo crab75
2003年11月26日に夭折した元advantage Lucy、vasallo crab75のギタリスト、福村貴行の追悼イベントも今年で3度目の開催と相成った。白状させていただくと、福村の存在を知ったのは最近で、もちろんライヴを見たこともなく、タイトルに仰々しく「4回忌」なんてついていたものだから、すっかり物怖じしてしまっていたのだが、ライヴが始まると同時にそんな不安は氷解してしまった。超満員の会場に登場し、アコースティックサウンドと胸キュンファーストキスエピソードでほんわりとイベント開始を告げたのはPLECTRUM。続くROUND TABLEはバンド編成でのライ ヴ。パーカッションやサックスなども交え無限に広がる音の波が会場を覆い、インストゥルメンタルの「Youngmen Blues」は圧巻の一言であった。お次はアイコがひとりでステージに現 れ、advantage Lucyとは別名義での活動を行っていたメイプルズの「カラー・イズ・ネイヴィー」を長渕スタイル(by.アイコ)で弾き語り。さらに福村が好きであったという少年隊の「君だけに」を石坂とふたりで演奏するというにくい演出の後は通常のバンドスタイルでのライヴ。アイコの初夏の風のようなさわやかな歌声と、陽だまりのように温かいメロディが心地よく降り注ぎ、福村作の究極のアルペジオ曲「red bycycle」で終了。トリを飾ったのはvasallo crab75。1曲目から工藤のギター弦が切れ、会場に飾ってあった福村のギターを使用するというハプニングが起こったのだが、クサイのを承知で書かせていただくと、イベントに参加したいという福村の仕業ではなかろうかなどと勝手に思ってしまった。そうであるにせよ、ないにせよ、福村を知らない私のような世代の者が楽曲や出演者の言葉を通して、福村貴行という人間の躍動を感じられたことは非常に喜ばしく、素敵なことだ。風に運ばれたわたぼうしの種がやがて地面に根を張るように、私の中に息づいた福村貴行がどんな花を咲かせてくれるのか、楽しみに待つとしよう。音楽は、死なない。白い息と一緒にそんな言葉を吐きながら、冬の帰り道を歩き出した。
[撮影/サヤカ、文/宮本貴子]
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