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Live Report ライブレポート 2007

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2007.2.20
"RUNNING MAN 070220"
nitt/ベベチオ/PLATON


nitt

ベベチオ

PLATON
天気予報を信じ、洗濯物を洗って干して目覚めて窓の外を見ると、降りしきる雨と濡れた洗濯物。やりきれない気持ちと、数日前から続く微熱、花粉症と闘いつつ臨んだRUNNING MAN 070220。広島発の兄弟ユニット"nitt"が先陣を切り、「なんてこったないぜ」「遊べよコラソン」で会場をエキゾチックかつムーディーな色に染める。ダブを基調とし夏の終わりの切なさをうたった新曲「ためらい」で新境地を垣間見せ、お得意の陽気なMCでは「今朝弟が死ぬ夢を見ました」とおどけてみせる。万華鏡のように様々な表情でオーディエンスを魅了したnittに続いてステージに現れたのは"PLATON"。「ワンモアタイム」「四月になれば彼女は」とお馴染みのナンバーに続いて披露された新曲「炭酸少年」のどこまでも登り詰めていく疾走感に胸が高鳴る。奇跡のような日常ではなく、日常に起こる小さな奇跡、淡い期待、ささやかな希望をまっすぐなギターサウンドに乗せて歌い上げる彼らのアクトは、いつでも思わず目をつむってしまいそうなくらいに眩しい。そして高校時代の同級生である早瀬と平良によって結成されたユニット、"ベベチオ"がトリを飾る。打ち込みのトラックにギター、ベースの生音を合わせた演奏が基本で、数曲はサポートドラマー榊原が参加し3人編成。夕暮れ時にまどろみながら、夢と現実を行ったり来たりしているような浮遊感あふれる楽曲の数々に、思い思いに揺らめき、関西仕込みのおもしろMCでさらに釘付けになるオーディエンス。早瀬と平良が創り上げるサウンドにはぬくもりに満ちていて、血の通った肌の温かさ感じずにはいられない。うとうとしていつの間にか眠っていて気付いたら布団がかかっていたような、気恥ずくも嬉しくなるような、そんな温かさ。故・中島らもは「一人の人間の一日には、必ず一人、その日の天使がついている」と言った。「暗い気持ちになって、冗談にでも”今、自殺したら”などと考えているときに、とんでもない知人から電話がかかってくる、あるいは、ふと開いた画集か何かの、1葉の絵によって救われるようなことが。それはその日の天使なのである」と。この日のイベントは、洗濯物を雨で濡らし、体調不良で休日を棒に振った私にとって間違いなく一日の天使だった。こんな瞬間を味わうために、私達は生きているのだと思う。
[撮影/小川舞、文/宮本貴子]
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