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Live Report ライブレポート 2007

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2007.3.18
"MOVING ON 14"
凛として時雨/榎本くるみ/徳永憲


凛として時雨

榎本くるみ

徳永憲
「異種格闘技」とまではいかないまでも、やや趣向の違う3アーティストによる共演。1組目は徳永憲。序盤はアコースティック形態で観客を癒していたが、後半のバンド・スタイルでも優しい歌声はしっかりと映えていた。温かいサウンドが会場全体を包み込み、脚色不要の日常的な歌詞が各々の心に染みる空間。ソフトな外見にソフトな歌声、という期待を裏切らない組み合わせであったが、MCでは三枚目の一面も覗かせる。人間的な魅力がそのまま露になっているといった感じで親近感をもつことができた。2組目の榎本くるみには、終始涙腺を刺激されっぱなしであった。壮大さと繊細さを感じさせるメロに、透明感のあるヴォーカルが調和する。美しい歌声でひたむきに歌い上げるといった感じだが、じっと彼女を見つめていると歌詞や仕草からは精悍な部分が垣間見える。かと思えばはにかみながらのトークでごく普通の女の子の側面を出していて、「かわいいなぁ」と思わず "きゅん"とさせられた。そして最後の登場は凛として時雨。攻撃的で先鋭的ともいえる彼らの楽曲は錯雑としたものすら感じさせるが、結果的には絶妙なグルーヴ感を生み出す。その証拠に観客の身体は一定のリズムで小刻みに揺れていた。重厚なサウンドと叫号に近いハイ・トーン・ヴォーカルが交じり合い、見事に会場全体を異質な空気で覆う。ラストは自ら「キラー・チューン」と言い放った「想像のSecurity」。曲名を言った後に歓声が上がり、曲中もずっと身体を揺らすフロアの様子が印象的であった。持ち味は違えど、それぞれのアーティストの「おいしい部分」をしっかりと堪能できた夜。いろいろな組み合わせのライブを楽しんでみたいものだ。
[撮影/サヤカ、文/工藤涼子]
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