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Live Report ライブレポート 2007

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2007.8.17
"UNDER<N>WATER WORLD vol.78"
ninaplay/monokuro/メガネビジョン/凛として時雨


凛として時雨
Queに気鋭のギターロックバンドが集結したこの夜。先陣を切ったのはmonokuro。スリーピースのトライアングルに発生する引力がうずを巻く。「盛り上がるような曲はあとのバンドがやってくれるだろうから」とMCは自嘲気味。しかし、プレイの合間にのぞかせる表情はあくまで不敵。気が遠退くほどに歪むギターでドライブさせてくれた。渋い演歌をSEに登場したのはメガネビジョン。さわやかな笑顔とクリアな声。力強く突き抜けるサウンドに、明確な意思を刻んだメッセージソングは青くも痛快。途中でギターの弦が切れるというアクシデントもありながら、臆することなく歌い切り、爽快な気分を置き土産に去っていった。挑みかかるような視線で衝動を鳴らしたのはninaplay。疾走するシャープなアンサンブル。ちぎれそうに繊細な声が心の奥を揺らす。冷静さと熱さ。相反する二つの情動が不安定に入り混じるその様が、ロックの純然たるスリルを感じさせてやまない。神々しささえ感じさせるステージだった。そして、トリは凛として時雨。降り注いだのは白刃の雨。ヒステリックなほど高音のツインボーカル。ざくざくと転がる楽曲は、時雨というよりもまるで嵐。そのあまりの激しい展開に、ともすれば飛ばされそうにもなる。けれど、豪雨を必死にやり過ごしてみると、陶酔感の中で立ち尽くす自分に気付く。ギターロックという表現の深さを垣間見ることができた夜だった。
[撮影/CLUB Que、文/渡部俊祐]
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