CLUB Que WEBSITE

Live Report ライブレポート 2008

« Back


2008.2.26
"「Stand by Me」レコ発ワンマンライブ"
e-sound speaker


1月にメジャーデビューしたばかりのe-sound speakerの『Stand by ME』レコ発ワンマンライブである。「メジャー」というひとつの節目を迎えたこのライブ、会場は沢山の人で溢れた。1曲目は『Stand by ME』にも収録されている「うたたね」でメランコリックかつ悩ましげにただ静かにスタート。そうかと思えば、2曲目は「シャクナゲ」でエモーショナルな展開に、「さよなら春の日」では暖かな春の日差しが差し込む。一曲一曲の持つ世界観、Vo.大迫とB.並木の2人で作り上げた世界を、心地よいリズムを刻むドラム、より濃い色彩を彩るキーボードでサポートする。かといって下手な飾りがあるわけではなく楽曲の良さを生かしたシンプルで真っ直ぐな音だ。身をゆだねて聴いていると、柔らかで芯のある歌声も合わせてリンクした映像がじんわりと立ち上がる。それはうつりゆく空だったり、懐かしい故郷の景色だったり、人により様々だろう。過去にインディーズレーベルで発売された音源に収められた曲や新曲もまんべんなく演奏され、Vo.大迫の「物語は続くわけです」というMCの後に「おわらないものがたり」、「ターコイズブルー」と続き、ラストは「Stand by ME」。幼い頃の自分、また現時点での自分、両方に優しく語りかけるかのような曲である。終幕と同時にアンコールを求める拍手が会場に響く。しかし、「自分達を全部出し切るつもりでやったので」という理由でアンコールはなかった。確かに、中途半端なライブだったらあそこでアンコールに応えていただろうし、オーディエンスも納得しかねただろう。そんな恒例事もいらないことは明らかだった。求める拍手がお疲れ様の拍手に変わった。ライブで演じるということは100%の自分達を魅せつける大事なものであるゆえ、ワンマンならなおさらプレッシャーだって大きいはずだ。その一瞬を観られたことに感謝したい、そう思えるライブだった。「物語は続くわけ」で、e-sound speakerもまだこれから。大いに期待したい。
[撮影/鈴木恵、文/高橋亜も]
※CLUB Que WEBSITEすべてのコンテンツに使用されている画像の無断転載は禁止です。

MENU

WWW このサイト内
Copyright © CLUB Que SHIMOKITAZAWA All rights reserved.