2010.9.8-9
客席に一歩入った瞬間、唖然としたと同時に思わずにやけてしまった。ステージ上に5台、客席の1/3を使用して4台、円を描くようにドラムが並んでいる。ギターとベースとキーボードはステージの奥だ。斬新な配置。どの角度からでもドラムを観ることが出来る。始まるといろんな楽しみ方があることに気づく。叩き方のクセやスティックの持ち方を比べてみる。9人とも1タムなのが興味深い。そしてやはり、ドラム9台の迫力は半端なかった。カウベルでテンポを取り、タイミングを合わせる。演者の表情は真剣だが笑顔。演奏途中のカウントやブレイクがぴたりと揃う度、客席のテンションはうなぎ昇り。まるで皆、吸い込まれるかのようにステージに釘付けだ。中盤ではゲストに藤島美音子と岩瀬敬吾を迎え、ボーカル含めた演奏へ。タンバリンを増やし、編成を変える。驚くのは歌を邪魔していないこと。彼らは役者なのかとすら思う。今回は、お客さん数名がドラム9台の中心に上がり、バスドラの風圧と音圧を体験するという企画もあり、会場は楽しい雰囲気に包まれた。しかし、それだけでは終わらないのがDQSの凄いところ。なんと9拍子の新曲が!3拍子・4拍子・9拍子に分かれ、加わっていく。36小節めで初めて一致するという、不思議な感覚。心地良いカオスがそこには存在していた。ドラムが9台。きっともっとセッションのようなものを想像するだろう。しかし彼らはあくまで曲を演奏する。変拍子で魅せ、ユニゾンで客席を震わせる。普段とは異なる感覚を体験する。台風9号が近づいていたこの日、それすらも最高の追い風として1日目は終了した。"DQS presents 「Que人のドラム侍」 スペシャル ~MAX越え!驚異の2Days 9×9×9×Q~" DQS(ドラムクイックサービス) [Dr1:溝渕ケンイチロウ(ザ・カスタネッツ,Qube), Dr2:山口幸彦(ハックルベリーフィン),Dr3:立井幹也(lala sputnik), Dr4:高橋浩司(HARISS,ex.PEALOUT),Dr5:丸尾和正(Clingon), Dr6:みん(MALCO),Dr7:ヤマザキタケシ(メレンゲ), Dr8:小関哲郎(about tess),Dr:9大坪徹志(hare-brained unity), Guitar:藤田顕(PLECTRUM), Bass:平田博信(Swinging Popsicle), Key:堀越和子(GOMES THE HITMAN)] 8日GUEST> 藤島美音子(Swinging Popsicle)/岩瀬敬吾 [文/SWADA、撮影/祖父江綾子]
9日GUEST> 近藤智洋(GHEEE,ex.PEALOUT)/高畠俊太郎(AUTO PILOT)
[文/渡部俊介、撮影/祖父江綾子] ※CLUB Que WEBSITEすべてのコンテンツに使用されている画像の無断転載は禁止です。
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