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Live Report ライブレポート 2010

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2010.11.30
"KAREN Presents「mo-u moku”vol.9」"
KAREN
GUEST> VOLA & THE ORIENTAL MACHINE
KAREN
VOLA & THE ORIENTAL MACHINE
9月に解散を発表したKARENの、9回目となるマンスリーイベント。今回のゲストは親交の深いVOLA & THE ORIENTAL MACHINE。4人は煌びやかなSEに乗り、全員黒い覆面を被って登場。9月にリリースされた最新アルバム『PRINCIPLE』中心のセットリストで、ぎゅうぎゅうになったフロアを揺らす。マイクを手に持ち身体をくねらせて歌っているかと思いきや、ギターを持って歌ったり、小さいタンバリンを叩いたり、サンプラーを巧みに操り、簡易的なドラムと言っていいパーカッションを叩くアヒト・イナザワ。心臓の鼓動のような中畑大樹のドラムがシンセ音に絡む。まるでスキップしているように華やいだリズムを刻む有江嘉典のベース。リズムに精通した4人だからこそ叩き出せるリズム・マジックが炸裂する。「破廉恥なバンドなんですよ、肉食系なんで」とMCで言っていた通り、4人が奏でる音は妖しく激しい。獲物を狙う魚のようにギラギラしている。だがユーモア・センスは忘れない。巧みに音の色を操作していく。途中、中村を迎えて「Flag」、アチコを迎えて「Panic in the TOKYO」を披露。何度かアヒトがフロアに降りたりと、目まぐるしいお祭り騒ぎ。脳みそに手を突っ込まれて、ぐっちゃぐちゃにかき回される感覚だった。KARENは「COMA (Sunday)」で幕開け。手堅く丁寧で、緊張感のある音を奏でていく。凄く穏やかなのだがどことなく気が抜けず、無意識のうちにステージに釘付けになっていた。音のひとつひとつが澄み、重なり合う。5人の集中力は、瞬間瞬間を噛み締めているようにも思えた。冬の朝のように洗練された空気。その中でアチコの声は闇を切り開く太陽の光のように、あたたかく真っ直ぐ伸びてゆく。「今日を入れてあと2回です。まだ(解散の)実感は無くて」と語った後の「"Lorraine"」では彼女から笑顔が消えていた。本当にあと2回なのだと、胸が痛くなった。アンコールの前に、戸高賢史が稲葉孝志(B'z)の物真似でLUNA SEAの曲を歌ったり、いつかのメリークリスマスを歌ったり、そんな戸高の物真似をした木下理樹がアチコから「病気の猫みたい」と言われたりと、笑いが絶えなかった。それは別れを惜しむようにふざけ合っているようにも見えた。最後に演奏されたのは「Flapper」。全ての音が瑞々しく、しっかりとひとつに重なっていた。次回はとうとうラストライヴ。久し振りのワンマンだ。
[文/沖さやこ、撮影/鈴木恵]
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