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Live Report ライブレポート 2014



2014.12.19
"『OPERATION Que HATACHI』
それでも世界が続くなら結成3周年記念公演「僕らの小規模な2日間の反撃」"


それでも世界が続くなら -oneman 2days-
それでも世界が続くなら それでも世界が続くなら
それでも世界が続くなら
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それでも世界が続くならの結成3周年記念公演ワンマン2days初日、小規模な反撃。フロアにいつも通り入る。その、一瞬で感じた明らかな違和感。すでに集まっているファンはステージに背中を向け、機材の周りに半円を描くように並んでいた。通常のステージは客席として解放され、十数人が登壇している。

初日はフロアライヴ。ステージもいらない、照明もいらない、スタジオで鳴らしている純粋な4人の生音を体感して欲しいという思いから実現したワンマンだ。

ただ機材を前にしているだけなのに、美術展にいるかような物々しさ。捉え方によっては前衛的なのもしれないといま思う。各々の胸の高鳴りがフロアを充満していた。最前列との距離は、ほんの数十センチ。

開演時間が過ぎてまもなく楽屋からメンバーが登場。「解離と労働」からステージより広くてステージより狭い小規模な反撃が始まった。ステージからフロアに向かって音を投じるより、フロアからフロアへ音が昇って広がっていくようなフラットな空間だから生まれる一体感。ミュージシャンではなく音楽が好きのリスナーとして音を鳴らしたいという篠塚将行(Vo.Gu.)の思いもあってか“リスナー対リスナー”というのもその要因かもしれない。

何を強要するわけではない、自分のために歌う、自分のために聴く。オーディエンスは拍手もなく、ただ見つめるだけ。蝋燭に灯る一点の火を見つめているように尊くて、触れられない、一瞬を集中して聞き入っていた。拍手や私語が聞こえるわけでもないのに開演前の空気感は次第と解けていくのが、なんとなく伝わってくるからまた不思議。エフェクターのスイッチを切り替える、チューニングをする。その足元、指先の動作を見て轟音にまみれ、足元に置かれた1つの照明によって映る4人の影を見つめる。アンプによる空気振動からかフロアに漂うニオイは、どことなくクリーンだ。

MCもなく、汗にまみれながらほぼぶっ通しで2時間演奏しきった。メンバーが退場し、放心しつつ自然と起こった拍手。それに応えるように再び登場したメンバー。普段アンコールをやることが少ないことから、何も準備をしてないと話し「明日の分の曲をやってもいいですか?(メンバー同士)どれにする?」とその場で決める潔さ。「消えた星の彼方」「2月11日」と2曲、燃焼し尽くし初日を締めくくった。
[文/大島あゆみ 撮影/栗田香那]
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