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Live Report ライブレポート 2016



2016.10.2
"その奇跡とその偶然・足跡は続く2016 四日目「これまで、これから」
BIG CIRCUS # CLUB Que 22nd ANNIVERSARY SERIES"

LOST IN TIME -oneman2DAYS-
LOST IN TIME LOST IN TIME
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10月2日コンセプトライブの四日目は「これまで、これから」と名付けられ7th『(   )トラストオーバーサーティ』8th『LIFE IS WONDER』9th『DOORS』からの選曲で構成されたセットリストを披露した。

客電が消えた会場に時計の振り子の音が響き渡る。
『LIFE IS WONDER』収録のS.Eでメンバーが登場する。

本日の一曲目は『30』。同世代に向けてのエールを込めた詞だが、きっと同世代でなくとも共感する事ができる楽曲だ。単純に背中を押すだけではなくて頑張る自分を支えてくれるようなそんな歌である。続く『over』では海北に負けないくらい全力で歌詞を口ずさむ三井と大岡の姿に力強くオーディエンスの手が上がる。

アルバム『(   )トラスト オーバー サーティー』にはロストインタイム初となる楽曲提供された「雨が降る夜」が収録されている。つばき一色徳保氏による作詞作曲。会場からは大岡が刻むドラムの小気味好いテンポにあわせて自然と手拍子が響いていた。

「改めましてロストインタイムです。昨日に引き続きCLUB Queの22周年記念で歌えるのがとっても嬉しいです!」と笑顔で話す海北。弾き語りの旅に出ていたのでバンドで演奏出来る事が楽しくて仕方がない様子が微笑ましい。

両日ともワンマンという事もあり随所でライブの醍醐味ともいえる3人だからこそのオリジナルセッションを聴く事ができ、会場は何度も興奮に包まれていた。ベース&ボーカル、ギター、ドラムのスリーピースというシンプルな編成がとてつもない可能性に満ちている事をこの2日間で改めて思い知らされた。

演奏が終わり一息ついた海北がゆっくりと思い出すように語りだす。
「昨日演奏した20代最後のアルバム2枚と今日の3枚には大きな隔たりがあって、それは自分たちの事だけじゃなくていろいろな事が2011年を境に大きく変わって、僕が紡ぐ言葉を大きく変える転機だった気がします。」

その想いをのせるかのように優しく奏でられたメロディは『五月の桜』
三井のバンドTHE YOUTHのボーカルでもある中村マサトシ氏と海北が共作した歌詞は、まるで仙台の風景がそのまま切り取られたような情緒あふれる言葉で綴られている。
まだ仙台を訪れた事がない人もきっとこの曲を聴くと心に浮かぶ風景があるのではないだろうか。是非アンサーソングとして作られた『燈る街』と一緒に聴いてみてほしい。

(たそがれ) とは夕暮れ時をさす言葉だが、夏の終わりも彷彿とさせる彼らの『誰そ彼』は若干の寂しさを漂わせながらもこれからの未来をまっすぐと見つめているようなメッセージが受け取れる。

昨日 (10/1) の公演でも感じたのだが、初期の頃はどちらかというと冬のイメージがある楽曲が多い印象であった。しかし近年は春夏秋冬、雨の日も風の日もさまざまな季節を海北が色とりどりの言葉で紡ぎ出す楽曲が増えてきたように思う。

三井もMCで、昨日の2枚と (今日3枚の) 作品のテイストが違う事に触れていた。
(2012年リリースの) 10周年ベストアルバムを挟んでから生み出されたオリジナルアルバムだったからかもしれないが明らかにこの3枚は曲が外に向かっていると感じていて今日みたいな曲たちを作れた事が嬉しいですと素直な気持ちを言葉にしていた。

そして、大岡は『LIFE IS WONDER』といえば豊島公会堂を思い出すと語り、海北も「またいつかはホールにもチャレンジしたい!」と熱い想いを客席に伝えていた。

「DOORS」の時、海北は考えがよりシンプルになってきたそうで単純に僕らの曲に耳を傾けてくれる人に寄り添ってくれるような、一つ一つ (の曲) がみんなの大切なものになれば嬉しいと話していた。

MC明けで演奏された「366」では軽快なピアノと縦横無尽なギター、そして胸が高鳴るリズムで会場が一体となり俄然盛り上がる。まさに前記した『外に向かっている感情』がステージから溢れだし客席を飲み込んでいく。

昨日演奏された『キャラバン』もタイトルから旅を連想するが、この日歌った『ジャーニー』はまた違ったアプローチでこれから続く果てしなく長い (人生という) 旅を歌っている。
『Synthese』でもそう感じたのだが、一歩ずつでもその歩みを止めずに進んでいくことが大きな力となりまだ見ぬ場所に向かって進んでいく。自分自身の秒針を動かし続ける事の大切さを教えてくれているように思った。今日のステージからも自分たちが一歩一歩と前に進むたくましさを感じ取る事ができた。

海北が年明けに開催するワンマンの話をする時に、「来年の話をすると鬼が笑うと言いますが、今はなんだか鬼にも笑っていてほしいです」と話していたのが素直でとてもいい話だなぁと思った。そして「15周年に向けたこれからのロストインタイムを期待していてください!」との宣言もあった。2日間を振り返りながら (自分たちは) アレンジが上手くなったと思うとも話していた。現時点で今の3人で作った曲の方が多いそうだ。これからの新曲にも多いに期待したいと思う。

2008年に三井が加入してから約8年となるが、会場にはかなり久しぶりにライブを見るという人やバンドスタイルを初めて見るという人も足を運んでいた。みんなきっと様々な想いを胸に今日この会場に足を運んでいるのだろう。

この2日間でお披露目となった楽曲『太陽のカフス』を演奏する前に、聞き所は? と聞かれた大岡は「三井の軽快なカッティングですかね!」と即答する。会場限定販売となるシングルだが新境地となるロストインタイムの音をその耳で確かめてほしいと思う。
続けて、CDのカップリングとなっているバンドバージョンでの『グレープフルーツ』も披露。原曲の良さを生かしながらも大胆なアレンジを加えることにより壮大なスケール感がある仕上がりとなっていた。優しさだけでなくそこにある情熱が伝わってくる。今まではアコースティックセットでのみ聴く事ができる楽曲だったが、これからはバンドセットで耳にする機会も増えそうだ。

ダブルアンコールの最後は海北の言葉で始まった『ライラック』。
「この花の花言葉は『永遠の友情』と『終わらない青春』です。この曲をあなたに。」
歌と音に込められた想いと時間。それはきっといつまでもこの曲たちと共に輝き続けることだろう。
[撮影:高田真希子]
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