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Live Report ライブレポート 2017



2017.2.11-12
"BEAT FIESTA 2017"
DQS -oneman2DAYS-
DQS DQS
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DQS
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 ドラム10台のモンスターバンド、DQSが2年半ぶりにQueに帰ってきた! ステージ上に5台、すぐ下のフロア最前列にも5台、合計10台のドラムセットがガッチリと並べられた唯一無二の光景はとにかく壮観だ。BGMの「2001年宇宙の旅」のテーマ曲が流れる中、次々にメンバーが現れて各ドラムセットへ。一瞬の静寂の後、爆発音の如く10台のドラムが掻き鳴らされ、ライブの始まりを告げた。一曲目「Parallel」から極限のスピードで重量級のリズムが叩き鳴らされる。眼前で繰り広げられる景色と全身を包む轟音に、最初は面食らいつつも高揚感が沸き上がってくる。リーダーの溝渕ケンイチロウが「今日は力を出し尽くして灰になって帰ります」と宣言するほどのライブだ。
 次第に目と耳が慣れてくると、ドラムだらけの爆音の中でも、ギター・ベース・キーボードによる良質サウンドはもちろん、スポットが当たったドラム、例えば森信行のパワー全開ドラムや、北野愛子の艶っぽくも骨太なドラムの音が、埋もれず聞き分けられる不思議に気づく。こんなにも叩く人の個性や感情が伝わる楽器なのか、と実感する瞬間だ。しかもDQSの音楽性はバラエティ豊か。へヴィーメタルを轟かせる「Metalish」、壮大なスケールを感じさせる「back to the PLANET」、ピースフルな歌もの、ロックやポップやエレクトロ、パズルのように分解されたリズムを集合体で魅せる曲など、ドラム10台で表現できるジャンルは無限だ。
 ライブ中は随時ポジションを替えていく。下段にいたメンバーが上段のドラムに着くと、岡山在住18才の赤嶺民生、女子メンバーの松井香趣望、飯田ゆかの新顔が見えた。溝渕が「新しい細胞」と表現した彼らの加入で、DQSは核を変えず着実に進化していく。一方で感情を表現する楽器=ドラムをわかりやすく教える、高橋浩司のコージーコーナー(なぜか尾崎豊を熱唱)も健在だ。DQSの代表曲ともいうべき「make a new GLOBAL MAP」に続き、ドラム10台の真ん中に立って全身全霊で歌う溝渕と共に、10台のドラムも叫んだ雄大なバラード曲「world's end」で本編を結んだ。
 そしてアンコール、最後の25分にも及ぶ「The circle of the rhythms」で、ついに溝渕鬼軍曹が降臨! ドラム一台一台を順にまわり、鬼軍曹が目の前で煽ってメンバーの最大限の演奏を引き出す。それは新メンバーの女子も容赦しない。ループするメロディにのせ、最後の力を振り絞ってドラムを叩き鳴らす。鬼軍曹とのタイマン勝負の死闘の果てに、ようやくエンディングを迎えると、ドラマーの何人かはその場に倒れ込んだ。「また必ず帰ってきます」という言葉を残して、壮絶なライブは終焉となった。
[文:下村祥子/撮影:山中善正]
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