2017.7.21
"CLUB Que 夏ノ陣 2017 RETURN TO NATURAL 2BANDS【VS】シリーズ"
DMBQ VS 踊ってばかりの国
DMBQ
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踊ってばかりの国
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DMBQ
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踊ってばかりの国
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DMBQ
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踊ってばかりの国
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間もなく23年目を迎えようとする下北沢Club Queの夏恒例のツーマンイベント"夏ノ陣"
今日2017年7月21日金曜日は全十一日中八日目の出来事。
DMBQ vs 踊ってばかりの国 というQueオリジナルの好カード。
このツーマンライブへの期待感は高く、危険な匂いをキャッチした若い世代が多く訪れていた。
そんな中先行で登場した踊ってばかりの国はトリプルギターでディープなリフを繰り返す初披露の新曲からスタート。そこから中盤までゆっくりと確実に毒を張り巡らせていく。 【私にも分けでちょうだい】と繰り返すサイケなDUB SONG「いややこやや」の頃には、すっかりと会場全体が月夜の下揺れる草木のように蠢き、一つの大きな生き物のようになっていた。
シャクナゲの葉の毒にしびれたまま後半戦へと「Boy」「SEBULBA」「OK」「言葉も出ない」と続け、声だけで、言葉だけで、音だけでトバサレてしまった。
DMBQの少し長いセッティングのあとBGMが消えてかなり長い時間がたった。
しばらくの無音状態の中SEは無く、メンバーが「ふっ」と登場した。最初から爆音すぎるギターの音は、どんどんでかくなっていった。
ライブが進んで行くと、本人は気づいていないようだったが興奮からか額から血を流している男がしきりにドリンクカウンターに登りながら笑顔で酒を注文していた。その間も凄まじい轟音と奇声が鳴り響いていた、始まった頃会場にいたあの人間たちはどこへ行ってしまったのだろう? 途中どこまで高くなっていくのかわからないギターの音階に恐怖したり。
どこから聞こえてきているのかわからないような、低くゆっくりとした底音に吐き気がしたり。
とくに上の方に顔面の皮を引っ張られている感覚になることがあっていつの間にか客がまばらになったように感じた。
気づくとギターボーカルの増子はギターを置いてフィードバックの中マイクをベルボトムジーンズの中にねじ込み、抜き出し、顔面に持ってきては繰り返しシャウトしていた。
手招きして人間達を前方に集めると増子がその上を歩き始めた、前方で何が起こっているのか見えなくなったが後ろからは人が押し寄せ、自ら持ち込んだライトブルーのドラムセットは客席に投げ込まれ人間全員でそれを持ち上げた、スネアスタンド、バスドラム、バスドラのペダル、椅子と。ドラムのセット全てを持たされた客のその上にドラム和田晋侍はステージ上と同様に鎮座しスネアにスティックを叩きつけ、バスドラのペダルを踏みまくり客達はその異常な光景を守るために必死でドラムセットを支えていた。
再びドラムはステージ上へ、積み上げられたドラムセットを増子に担がれたベースのMAKIがドロップキックで破壊しそしてライブは終わった。いつの間にか始まりとお同じようにたくさんのお客さんがいて、そして全員で手を挙げ、拍手を送っていた。
[文:CLUB Que 福田政博/撮影:前田美里]
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