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Live Report ライブレポート 2017



2017.10.29
CLUB Que Shimokitazawa Twenty-third Anniversary [THE TOKYO 23]
"The Cheserasera ~dry blues tour~"

The Cheserasera
The Cheserasera the sea falls asleep
The Cheserasera The Cheserasera
The Cheserasera The Cheserasera
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 この夏、自主レーベル“dry blues label”を立ち上げ3rdフル・アルバム『dry blues』をリリースしたThe Cheserasera。手塩にかけて作り上げた新作を引っさげてまわったツアー最終日は、奇しくも台風が接近中となってしまったが満員御礼! フロアでは、多くのファンが彼らの音楽を心待ちにしていた。
 お馴染みのSEが鳴り、観客が拍手でメンバーを迎えると美代一貴(Dr)の軽やかなドラムで始まる「good morning」からライブがスタート。胸の高鳴りをそのままメロディに重ねるような情感溢れるグルーヴを響かせる。“体動かして” と宍戸翼(Vo.Gu)が投げかけると、西田裕作(Ba)のしなやかなベースラインと宍戸のフリーキーなギターが交錯する高速ロック・ナンバー「LOVELESS」へと続き、息をつく間もなくアンセムを連続投下していく。これまでも予期せぬ逆境に直面してきた彼らだが、この日の台風について、宍戸は“もう逆境飽きた〜!(笑)”と笑い飛ばす。“そんな状況でも続けてこれたのは応援してくれるみんながいたから。また逆境があっても負けずに乗り越えられると思う”と素直な気持ちを伝えた。
 新作のリード・トラック「Blues Driver」は、宍戸が学生時代にバンドを辞めることを決断した友人から譲り受け、所有している機材を題材とした楽曲。音楽を通じて時間を共有してきたすべての人に寄り添うような、哀愁と郷愁が混じり合うミディアム・バラードを、宍戸は伸びやかに歌い上げると“いまが最高!そう信じていきましょう”と言って〆。ラストスパート、「I Hate Love Song」では、宍戸からオーディエンスにサビ前の<笑わせんなよ>というセリフを思いっきり叫んでほしい!というリクエストが。曲が掻き鳴らされると、痛快のロック・チューンに観客も自ずと拳を突き上げ、日頃の憂さ晴らしと言わんばかりに叫び、グッと熱気をましたまま最後の「月と太陽の日々」へと駆け抜けていった。
 晴れやかな表情で再び登場した3人は、満たされた心を温かく包むように「消えないロンリー」を披露した。高揚感と多幸感が混じり合う余韻の後、ふと現実に立ち返ったときの孤独を和らげるようなやさしい歌を届けた。最後は“旅立ちの歌”「Drape」を演奏し、心に焼き付けるような鮮烈なバンド・サウンドで魅了。ライヴ中に明かされたが、12月22日の追加ワンマン公演は、セットリストも組み直し、また違った趣のワンマン公演になるとのこと。ひたむきさは、そのままに今作を経て進化を遂げたThe Cheserasera。彼らは、来月も素晴らしいステージを見せてくれるに違いない。

[文:大島あゆみ/撮影:前田美里]
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