1987年にデビューしたレピッシュのギタリスト。スカでもパンクでもファンクでも、捉えようによってはそうだけど、大きな器でミキシングした何にもとらわれないスタイルと音楽性は、実に斬新に映りこんだ。そしてその時代黒く陰鬱だったロックの世界を華々しくカラフルに塗り替えた。
その後杉本は1996年にソロアルバムをリリースする。直後に上田健司らと組んだアナラーズでも下北沢シーンが注目されだす時代のど真ん中に位置して大暴れ。大いに活性化したし、駆け出しの氣志團と怒髪天と組んだ“天国の穴場”というイベントは今でも忘れられない伝説のものとなり、その後の彼らの活躍の後押しをしたといってもいいだろう。
そして時間が流れソロバンドでの活動がメインになっていくわけだが、その形態はBANDOFBANDの何物でもないので、単純なイメージでソロの人と思うのはマチガイ。とにかく破裂するほど強烈な音塊と人間の内側からハミ出てくるパワーに感服して感動しちゃう。何と言っても上記の豪華で圧倒的な経歴のメンバー。彼らが魂振り絞って音を出すから、それはもう完全なロックバンドなのである。特筆すべきなのはやっぱりそのギターの音色と疾走間。ギター自体の鳴りを最大に生かして必要分だけのエフェクトをかます。上から下までレンジの広さは大音量でも聞き疲れしない音の隙間を含んでいる。何せレピッシュ時代に培ったリズムは、誰でも躍らせてしまう。それに、もしかしたら俳優やっても成功するんじゃないかと思うルックスとセンスのいい映り込み方。今やなし崩しになってしまったロック界に美学を取り戻したいと思うなら杉本恭一に接してみたらいいと思う。根本的な事が全部詰まった人だから観るべきとこ多し。ただ、やたらめったら阪神ファンであり、無限の体力で飲み続ける点は、初心者にはチョットヘビーかもしれないと付け加えておこう!
久し振りのCLUB Queへの登場! お見逃し無くです!
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