【曲創り~レコーディング】

:曲ができていく過程を教えてもらえますか?

深沼:前回のアルバム『QUAD』は、殆どレコーディングのリハーサルをやってないんですよね。

近藤:やってないね。初合わせがレコーディングの時だもん

:えっ????

深沼:『On the beach』とか当日。

深沼:レコーディングの当日に初めて合わせてみて、そのまま録ったの。

:そうなんですか!?

近藤:つまりギリギリに曲ができたってことね。

一同:(爆笑)

二位:技か、こだわりかと思った…(笑)。

 

:歌の住み分けだったりとか、どちらが歌うっていうのは?

深沼:それはね、先に考えてあるんですよね。ここをどっちが歌ってとか。みんな聴いてイメトレして

   きて。

:演奏する前にイメージ的が出来上がっている感じですか?

深沼:そうですね。それが出来ないとレコーディングできない。今回レコーディングリハ無しでしたか

   らね。

近藤:あとは深沼くんが「深沼マジック」を…。すごいギター弾いてくれたらOK。

深沼:それはベーシック録った後に考えるから(笑)。

二位:曲の構成は?

深沼:構成は決まってます。ウワモノは後で入れるっていう状態ですね。

二位:大枠を録って。しばらくして調味料を差し込んでいく?

深沼:そうですね。

: 演奏したら「えっ!?」ってこともあるんですか? そのフレーズあったけ? みたいな感じの

   こと。

深沼:かなりあります。でもそういう意味ではGHEEEの場合、その場の応用力が問われるというか、そ

   ういうことは多いですよね。特にリズム隊の2人には。

近藤:新曲をやる時は深沼君が曲書いてきて、俺が歌詞を当日に「はい」って渡すパターンじゃない。

深沼:当日ですからね(笑)。応用力いります。

奥山:当日ですか!?

深沼:そう(笑)。

 

深沼:当日に歌詞を見て歌うわけで(笑)。メロディーは自分

   で書いてるんで。

二位:そうかメロディーはインプットされてるから。まあ大

   丈夫って事ですか?

深沼:当日に歌詞を見て覚えて歌うって感じ。

二位:嘘だー!(笑)。

深沼:いやいや、まさか前日まで来ないとは思わなかった(笑)。

二位:そんなスパルタな(笑)。

深沼:スパルタです。なんなら先にコーラス入れてる。歌詞が出来ていない曲にコーラスつけてる(笑)

二位:神業ですね~。

 

深沼結成以来ずっと2人でツインボーカルでやってきたので、息というか合わせる感じは慣れてきてますね。

近藤:そうだね。

二位:しかし、その辺の若者ができる業じゃないですね。

深沼:そうですね。

近藤:この前、深沼くん言ってたけど、歌詞の語感とかメロディーに対しての言葉の乗せ方がけっこう

   俺たち近いっていうか。

深沼:それ! 結構近いんですよ!

二位:打ったらどっちに飛んでいくか、ピッチャーが投げた瞬間にわかるみたいな?

近藤:そうそうそう。

深沼:結構わかりますよ(笑)。

近藤:それがあるから歌詞が当日でも歌えるというか、人の曲とかって歌うのも覚えるのも難しかった

   りするじゃない?

深沼:乗せ方が似てるんですよね。特に英詩がね。人によっては1個の単語でも乗せ方が変わってくるん

   だけど、近藤さんはそういう所も近いんで。

二位:それは昔から感じてたの? PEALOUT、PLAGUESの時代。

深沼:どうですかね? 違和感はなかったと思うけど。

近藤:やってみて、余計に感じるというか。実際人の曲を歌う時に。

:そこら辺が2人でやってみたいというような理由だったんですか?

深沼:うん。単純に世代感みたいなものもあるだろうしね。

 

 

:具体的にGHEEE用に創る曲ってどんな感じなんですか?

深沼:曲がだんだん出そろってくると、色んなところで「半々」にこだわるんですよね。「俺ここまで

   作ったんだ! あとはどう考えても近藤さんだ!」っていうような(笑)。ここの歌詞は近藤さん

   がやんないと半々にならないんで、あとは宜しくみたいな(笑)。

二位:この話は一見投げやりで、無責任な話に聞こえるけどあれですなあ、超プロフェッショナル職人

   の信頼関係に基づく物創りの物語ですね~。だけど、だんだんさぁ「近藤さん~早くやって

   よ!」みたいな気持ちも入ってきたりする?

深沼:いや、いつも土壇場なので(笑)。

近藤:いつもギリギリに仕上げるんで(笑)。

深沼:大体レコーディング前日に近藤さんからメールがく

   る。歌詞のね。

二位:めっちゃ九州時間…。

 

深沼:メールが来ればまだ良い。昨日、iPadに歴代のGHEEE

   の歌詞をまとめて入れたんですよ。そしたら『QUAD』の時の近藤さん作曲の歌詞がデータで無

   いんですよ。よくよく考えたら、レコーディング当日に紙でしかもらってない(笑)。いまだに(笑)。

近藤:データーで送ってなかったんだ(笑)。

深沼:当日、手書きで持ってきただけ(笑)。

近藤:だんだん酷くなってんな俺(笑)。前は仕上がったらすぐに送ってたのに。

 

:深沼さん大変なんじゃないですか(笑)?

深沼:大変ってわけではないけど(笑)。雪かきみたいなことをやるのも僕の仕事(笑)。雪かきしないと進

   んでいかないみたいな(笑)。

二位:2人は奇跡的な、いい出会いですね。

近藤:雪かきしてる間にミカン食ってりゃいいんですからね。

一同:(笑)。

深沼そのあと悠々と近藤さんが車でガーって来て「雪どうってこと無いね!」みたいな事を言う(笑)。

   でもなんていうかそういう中で8年やってるんだけど、そんなにやってきてる感じもしないという

   か、すごく面白い形でバンドをやれてると。色んな自分のそれぞれのプロジェクトの事を真剣に

   やってるでしょ。PLAGUES再開させたりとか、色々あるなか、やっぱGHEEEを演りたくなるん

   ですよね。何か月かしたら。そろそろ「GHEEEのライブ演りたいなー」みたいな。みんながそれ

   ぞれ独立して活躍してて、一瞬GHEEEで集まる感じがすごい恋しくなる。

二位:人間関係のバランスが良いからだろうね。

深沼:そうなんですよね。

二位:誰かが一人で重荷を背負ってるとそうはならないもんね。

深沼:4人ともテーブルの4本足の内の1本になりたいというような感じですね。

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