20年前の時代背景と、今と何か思う事ありますか?

二 位:年を重ねたからとか、経験値で考え方が変わったりとかすると思うんだけど、時代背景って

    のもあるよね?

セイジ:僕らがバンド始めた頃って、ギター背負って歩いてるのがカッコいいっていうのがありまし

    たけど。それが綺麗に無くなりましたね(笑)。

二 位:確かにテニスラケットかギターか分からない雰囲気の人もいるね。

セイジ:カテゴリーがすごい増えた、若い人がこれやってみたいと思うようなカテゴリーが果てしな

    く増えたなって思いますね。ダンスもあるし、オタク文化とかアニメとかいわゆる『秋葉

    系』とか、若い人がやってみたいと思うジャンルが増えたと思います。

二 位:一億総芸人時代(笑)

アキラ:でも、やりやすい時代になりましたよね。HARISSの話をFacebookでマメに出してて、今ま

    では自分でやるのは躊躇いがあったというか、かっこ悪いと思ってたんですけど。自分で

    色々やってみて見えるところがあったりして。それこそやり始めた頃は「とにかく人気出さ

    なきゃ!」とかそういう感じだったけど、そうじゃなくて、やるのは自分次第、自分でどう

    にでもできる時代になって夢の見方が変わってきたというか。夢が現実化しやすいような時

    代になってきたのかなって思います。CDが売れないとかデメリットもあるけど、メリットも

    結構あるというか。自分たちでやればなんとかなる! 動きさえすれば何とかなる!ってい

    う時代になったんで。

 

高 橋:プレイヤーとして40歳過ぎてもやりやすくなった

    なって感じます。僕らが20代前半のころに40代

    のバンドを見ると、「もう終わってるな~」って

    思ったり(笑)

二 位:枯れてるな~、酔いどれて終わってるなって (笑)

高 橋:そうそう。今は40歳過ぎてなんなら50歳すぎて

    もカッコいいバンド沢山あるし。音楽がやりやす

    い環境というか、年齢差が関係ない。

二 位:年上になったのにまだ年上がいるしね。年齢じゃなくて真剣度合いだからね。若くて枯れて

    る人もいるし、ベテランでも燃えたぎってる人がいるわけで、50前後で初武道館やるとかね。

高 橋:そうそうそう(笑)。40過ぎて敬語を使わなきゃいけない対バンがいるっていう(笑)。それが

    一番昔と違うことだなって思いますね。

二 位:そうねぇ~。それに年齢層が広がったから、その分争いにならないですね。昔は年齢層近い

    とこで固まってたから揉めたし、全国から「俺が一番!」ってのが集まるからね。

ユウジ:楽屋の雰囲気が嫌でしたね。

高 橋:楽屋で口きかなかったもん。対バンの人達と。今は率先して話しかけに行く(笑)

 

高 橋:ハコ(ライブハウス)の店員の人柄も変わった感じしますよね。

二 位:だって昔は演る人が怖いんだもん。今、怖いくらいエネルギッシュな個人はいても、芯では

    ないもんね?

一 同:(笑)

二 位:当時は束でそういう人がいて、ヘラヘラしてたらナメられるし、つっぱってたら殴られそう

    だし、どうしたらいいんだろうって(笑)。俺はできるだけそういう中でも笑えるようにして

    たけど。85年までの渋谷屋根裏とか、当時の小竹橋のロフトとかなんて怖かったじゃない。

ユウジ:SIDE-ONで小滝橋のロフトやってますね。無くなる直前くらいですかね。でもイベントって

    言ってもロカビリーのイベントで出てたんで…。

アキラ:そうなんです。ロカビリー独自の枠でやる事が多くて、意外とロック系の人とは絡みが無

    かったですけど、ロカビリー界の怖い人たちはいました(笑)

二 位:そんな中でもロフト周りは最終的には階段というか、ある種の階級は出来てきてたと思う

    の。90年代初期はなぜかアンチノック・20000V・下北屋根裏が異種格闘的なゴチャゴチャ

    を請け負っていたような気がする。

高 橋:確かにあるかもしれないですね。

 

今後皆さんミュージシャンとしてどんな想いで?

セイジ:エンターテインメントとして面白く観せていく努力はしていきたいなと思ってます。ロック

    自体が随分長い事時間経っちゃったんで「ロックをやるのはこういうモノだ!」みたいな、

    完全に出来上がっちゃってるじゃないですか。何十年も前から。でも、たぶんそういうこと

    じゃなくて、色んな表現があって、どうやったら面白くできるんだろうとみんな考えてると

    思うんです。だから「こういうモノだ!」って決めてしまうと進化は遂げれない。もちろん

    音楽家は音楽のことを過剰なぐらい考えているけど。それプラスね。趣味とか、想いとか。

    例えば、ブライアン・セッツァーがオーケストラでやったこととか。ああいう破天荒さみた

    いなのが無いとダメだなっていう。真ん中ぶち破ればよかった時代が長い事続いてきたんで

    すけど、端の方から全部壊して、間口を大きくして、すごい面白かったって言われるのをし

    たいって思いますね。

 

二 位:そうね、ストレイキャッツで売れてる時に大編成を試しにやったってんだったら、まぁまぁ

    わかるんだけど、結構忘れ去られて、普通…今のカフェ、ソロアコースティックブームみた

    いにミニマムに考えるところを、逆にオーケストラを始めるって一大決心だよね。大借金

    じゃない?

ユウジ:みんなに止められたらしいですよ。

セイジ:絶対失敗するからやめろって言って。

二 位:凄いチャレンジだよね・・・。

 

二 位:ユウジくんは今後は?

ユウジ:バンドやり始めたきっかけも、自分が好きなバン

    ドが早く解散したり辞めちゃって…。だったら自

    分でやっちゃった方がいいなって。要は自分が聴きたいバンドっていうのが自分がやってき

    たバンド。だからずっとチャレンジし続けてきた…つもり(笑)。自分でもHARISSって集大

    成で。正直今、この先は考えていません。頭真っ白。

二 位:なるほど。そうだよね。

ユウジ:そうですね。

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