あえて聞くけど、悩みとか、いや~もうだめだとか思うことは?
なべ: 自分に対して? 曲作りに対してはある。ものすごいへこむ。ステージ上はないけど。
二位: 詞とメロディとどっちが先なんだっけ?
なべ: 一番いいのは、同時。一小節でも、一言か二言でも同時がベスト。そのメロディと言葉を生かすために前後の言葉
をくっ付けるな。
二位: 言葉のパワーが圧倒的に凄いと思うんだけどね。
なべ: 自分ではそんなに思わないんだよなぁ。
タム: 分かりづらい言葉じゃなくて、でも誰にでもかける歌詞じゃないですか。突拍子もない言葉を使ってインパクトを
与える人がいるけど、結局ずっとは残らないけど、なべさんが書く歌詞は、普遍的でここに置いたら一番輝くと
か、それが分かっている感じ。
二位: ニグロとかいう言葉は、普通の日本語の歌詞では出てこないじゃない?
なべ: 俺の好きな黒人の詩人がいて、その詩に出てくるの。それを俺の辞書に一回しまって俺の言葉になる。差別用語で
もなんでもない。俺はそれを文化として認めて歌詞にしてるんだよね。
二位: 本とか読む方?
なべ: 本というか、詩集が多いかな。日本語には唄に載せる可能性がまだまだある。もっと日本語って面白く伝えられる
んですよ。俺はずっと探してる。そのために騒音寺を作ったからね。
二位: 歌詞すごいもんなー。
なべ: でもね、なかなかコマーシャルな感じでは歌えないからね。そんなのも結構書いているけどね。自分じゃ歌えない
から、できたら別のアーティストに歌ってもらいたいなぁ。
二位: それいいね、それ実現しようよ! 絶対なんか新しいものが生まれるよ!
なべ: そうやなぁ~!
みんなの最初に影響を受けた音楽は?
素之助: 僕はやっぱりビートルズですね。あとローリングストーンズとか、ちょっと旧いブルース色のあるビートが好きで
すね。スティーブジョーダン(*2)とかも。で、騒音寺に入ってから思ったんですけど、この音楽が一番得意と
いうか、やりたい音楽で、なべさんと音楽性が近いかなと。聴いてきた曲とかもなべさんと話してて同じやったん
ですよ。
*2 アメリカ人マルチプレイヤー。ブルースブラザーズや、一時期The Rolling Stonesにも参加していた。
なべ: だからすごい楽だったなぁ。
素之助: 逆に同じ年くらいではいなかったんで、楽しくて。
なべ: 新しい曲を持って行っても伝わりやすい。言葉で言わなくても音が伝わる。
二位: 今さあ、旧いバンド名も知ってんだけど音を感じない若いミュージシャンが多い中で、なんでそんなに音の髄まで
詳しいの?
素之助: 親がめっちゃレコード持ってるんですよ。旧い音楽ばっかり聴いてるんですよ。
二位: へ~。そうか~。環境が良かったんだね。じゃ親御さんも騒音寺のライブも見に来るの?
素之助: ええ、もちろん。家にもCDありますし。喜んでくれてる。磔磔に出る事を目指して京都に住んだんですよ。やっと
出れたのが騒音寺入ってからなんです。
なべ: お父さん、お母さんも喜んじゃって、飲みすぎてべろんべろんになっちゃって。で、「息子をよろしくお願いしま
す!」とか言われて、なあ! で、素之助の地元で凱旋ライブをしたんですけど、お父さんが自分の友達たくさん
呼んじゃって、MCの最中も凄くやかましくて。
二位: そりゃあすごい話。そこに俺も居たかった(笑)
さあ、色男担当こーへいくんは?
こーへい: 僕が影響受けたのはハイロウズとかミッシェルガンエレファントですね、それが中学
とか高校とか。小学生ではピアノを演ってて。でもピアニストは全く思わずに…。
もっと単純に音楽を演りたくて、それで友達とバンドを組んだのがロックの最初か
な。で、騒音寺入って…、こんなロックな方々とご一緒できて、ほんとにうれしいで
すね。
タムの最初の影響は?
タム: 僕は一番最初に好きってなったのはジュリー(沢田研二)なんですよ。覚えてないけ
ど一緒に踊ってたらしいです。で、ちょうど中学ぐらいがバンドブームで。家にアコ
ギがあったけどすぐに挫折しましたね。音楽は自分にとってそんなに近くなかったっこーへい(Ba.)
ていうか、「僕はやる側の人間じゃない」と勝手に思ってて。野球をやってたんです
よ。好きだったけど音楽には少し距離を置いてた。高校卒業してから、久しぶりに会った友達がバンド演ってて、
それを聞いて俺もやってみようかなと。で、こんな音楽したいなと思ったのがルースターズとかDr.Feelgoodとか
ですね。今でも聞くのは、PUB ROCKとかですね。
二位: ロック王道だね。ド・ブルースじゃわかんないし、パンクだと雑っていうところではPUB ROCKから入るのが一番
いいかもね。
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