Q : それでは最新アルバム「Time To Go」を1曲ずつ振り返り、その曲の解釈や制作秘話などを御聞かせ頂ければと思います。

                    

01「ファンファーレ」

宍戸 : この曲がこのアルバムの全ての始まりです。アルバム制作に辺りとにかく曲を作ってメロディ

   と曲、、、本当は詩も同時に作りたかったんですけれどあるものとないものがあって。色々曲

   のアイディアを出す中で、『俺この曲で行きたい』というのもあれば『この曲は別にメロディ

   が良いだけの曲ですけど、、、。』ていうのもあって、スタッフに話すんですね。“ファン

   ファーレ”はどっちかっていうと最初、メロディが良いだけの曲だったんですよ。歌詞はちょっ

   となんか、浮かぶかな、っていう感じの曲調で。明らかにポップで。ちょっと気持ち悪いくら

   いにポップで。で、ちょっとこれは無いんじゃないかって思ったんですけど、これを形にして

   みようってディレクターに勧められて。そこからプリプロしていって。『これやるんだったら

   これぐらいの事しないとちょっとやれないよ』という事で逆に派手なアレンジというか、壊し

   にいくようなアレンジをしていきまして。どんなことやってもメロディとコードがポップなの

   でなんでもアリだろうという事で。ドラムもずっとパターン変わっていきますし。ベースもす

   ごく面白いし。で、進んでいくと今度はディレクターが『いや、これポップすぎるからやめよ

   うか笑』って言われてしまいまして。皆がこの曲の持つポップさに恐れをなしてたんですけれ

   ど、逆に僕達3人の中では『これだったらアリかな』という所まで来てたので、『これで行きま

   しょうよ』という事で歌詞書いて、イントロのリフも好きですし、サビの今までにないビート

   感とかも凄い好きだし結果自分達の幅を広げるものになったなと思います。

ではこの曲はネタが生まれたその瞬間からここまでの名曲になっていく、という確信があったという訳ではなく、この曲のもつエネルギーに全員で振り落とされないようにしがみついて挑んだ楽曲だったんですね。初めからアルバムリード曲としては接していたのですか?

宍戸 : リード曲のていで進行はしていってたのですが、さすがにポップ過ぎるんじゃないかとはなっ

   ていました。

けれどもこのポップさも、前作があってこそのポップさだと思いますし、有りですよね。

宍戸 : 前作を経て、歌詞も俺の中で出しうる最高のポジティブさです。

 

02「butterfly (in my stomach)」

宍戸 : この楽曲は(先に作ったのは歌詞では無く)曲です

   ね。曲が先でした。これも歌詞がポップというか、

   お行儀の良いと言いますか。もう逆にコントラスト

   付けちゃおうと、イントロとかに。もうバッキバキ

   なグルーヴ系で攻めて。結構俺真面目な曲が多かっ

   たんですけど、歌詞とかも。多分少しふざけてると

   いうか、そういうのをこの曲とかだったらやれると

   思っていて。

   なんだろう、、、『いいじゃん行こうよ。遊び行こうよ。』みたいな、軽くふざけたぐらい

   が、やってみてもいいかなみたいな。アレンジ自体が凄く面白いので、そういう感じで歌詞書

   いてみた曲です。

3人の演奏も楽しそうだしね。

宍戸 : この曲はリズム隊がかなり活躍している曲ですね。ドラムのパターンもプリプロの時はぎちぎ

   ちに固めてたんですけれど、レコーディングの時に良いアドリブが出て、そのまま録音OKに

   なったり。

 

03「Day after tomorrow」

宍戸 : この曲は出だしの歌詞と、メロディから出来た曲ですね。凄くシンプル。シンプルっていうか

   もうまっすぐな曲だと思います。凄く純粋な曲というか。

超肯定的な曲だよね。

宍戸 : そうですね。なんかもうポジティブなんですよね。(歌詞カードを観ながら)結構8ビートだ

   し、メロディも凄く良いし、歌詞も分かりやすいと思うし、この曲は始めの方に聞いておいて

   もらおうかなという思いがあって、この3曲目にしました。

アルバムでいうと、1、2、3曲ってとても重要な曲順だと思います。

宍戸 : とりあえずこの最初3曲で感じは掴めると思うんです。このアルバムの。

 

04「まっすぐに」

宍戸 : この曲は新曲じゃないです。凄く昔からある曲で。ライブで2、3回やった事のある曲です。そ

   れこそ昼行灯の頃からです。The Cheseraseraになる過渡期くらいの時期かと思います。

The Cheseraseraのライブを観る事が個人的には多いんですけれど、勿論この曲以外にもそういった曲はあるんだと思うんだけど。まだあったんだね。

宍戸 : この曲は特に美代君が歌詞を書いたりとか、こういう進行だったらどういうメロディが乗る

   の?とかの話から作っていった曲で。だからずっと頭にはあった曲ですね。メンバーでは。

では今回特に美代君の熱い気持ちがあったうえでの実現という事なんだね。

宍戸 : 単純にスッキリして良い曲だと思いますし。

それ聞くと昼行灯やってた頃にやりたいなぁと思っていた事がやれなかった。けど今のケセラでようやくフィットしたというか。曲が追い付く・バンドが追い付くじゃないんだけどそんな気もする曲なのかも。

宍戸 : 歌詞、1サビかな、もともとあった歌詞は残ってるんですけど、そこから今、また書き足して

   いるからそういう風に馴染んだと思います。今凄くポジティブなムードが流れてるのでこの曲

   調の凄く爽やかなムードがマッチしました。

あれ、この曲だったっけ?美代君が最後叫ぶの。

宍戸 : あれ聞こえました?笑。レコーディングしてて、終わった後に何を血迷ったのか美代君が声出

   し始めて。『今の(テイク)良かったんじゃない。え、声?意図してない意図してない。』っ

   て言って。じゃあ最後もう1テイクして終わろうか、って、もう1回やったんですよ。そしたら

   『これも良いテイク録れたな』って思ってたらまた彼が『フゥッフ~』って叫び始めて笑。

   『やっぱやりたいんじゃん?』って聞いたら『そんな事ない、そんな事無いんだよ。』って

   言ってて。意味解らないですけど。そのくせ『あの声は入れたい訳じゃない』とか言い張るん

   です。

絶対入れたいんだと思うよ笑。個人的に今回美代君のドラムが本当に気持ちよくって。この曲にそれを凄く感じます。

宍戸 : でもこの曲の最後の声、聴きとれる人意外と居ないんじゃないかな?小っちゃいから。

 

・昼行灯:2009年結成当初のバンド名。翌年の年末に改名、「The Cheserasera」となる。

 

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