周りから見た時にはさ、「やたら元気な人達だな」って見られてるじゃん。

グレート: この間も言われたなそれ。10何年ぶりに会ったバンドに。鈴木は特にライブ、いまでもそっちに力使ってるじゃん。

鈴木: そこ以外は使わないから。

グレート: そう。「すごいね、前もすごいとは思ってましたけど、落ちてないっすね!」ってこの間言われとったから。

鈴木: そんなこと言われた?

グレート: 言われた。うん。本人じゃないけどね。赤犬に言われた。

鈴木: なんだよ。直接言ってくれよ。

二位: でもね、今日リハーサル観て思ったのがね、もう、生活習慣だね。

鈴木: うん。

二位: 手抜いてても98パーセントいくみたいな。そのうち寝てても大絶叫で歌えるようになるとか。

グレート: ふふふ(笑)

鈴木: 意外にね、そううまくリハはちゃんと力抜いてやれるようになったんだけど、前はリハもさ、100パーセントじゃなきゃ出来なかったんだよね。で、ライブもそうなっていくのかなって思ってたら駄目だね、やっぱり。出ちゃうと。

二位: ステージ立つと?

鈴木: うん。やっぱりその日の全開になっちゃうよね。仮にね、セーブしようと思って…次があるからとか、ツアー中だからとかね。今日は80%ぐらいでセーブしようとする気持ちを持った方がいいと思うけど、駄目だね。ステージ出ちゃったら。

二位: 全開!?

鈴木: というか、あたふたするし、じたばたするし。

 

ひたすら全力疾走!?

グレート: 逆に鈴木は100だそうと思うと、100でない時ってあるじゃん。行き過ぎちゃって。70ぐらいで終わっちゃうとか(笑)。

鈴木: そうそう、途中で息切れしちゃう時とかね。

グレート: まあみんなあるんだけれど、鈴木は特に多いよね、未だに。

鈴木: コントロールが出来ないというかね。うまいこと。ベテランバンドだからそういうコントロールって普通するじゃないですか?

二位: わかんないように実際はしてるんだろうけどね。

グレート: そうそう、もちろんわかんないようにだけどね。お客さんには。

二位: でも、そこが魅力なんだろうね。

鈴木: だから、当たり外れがすごく多い。

二位: というか、外れても外れにならないでしょ。

グレート: 外れはないと思うけどね。

二位: バンド的に外れたシクったとしても、それは観てる側にとってはすごく貴重だったり感動的だったり?

グレート: 外れとは言わないようにしている(笑)

一同: (笑)

グレート: その日はその日のベストを尽くしているしね。

鈴木: 演り手側と聴き手側は違ったりするもんね。あの、よくあるのがこっちとしては僕らだけじゃなくてちょっとイマイチだと思ったライブの方がお客さん、すごく良かったって言って逆にこっちが今日のライブは凄く良かったって言う時は意外にそうでもなかったりする。

二位: 今日普通でしたね~みたいな?

鈴木: そうそう。結構ある。

グレート: なんでしょうね?

鈴木: なんだろうね?一致する時もあるんだけれど。うん、そういうのもあるからあんまりこっちで今日は調子悪かったとか言っちゃったりすると、「あれ? 観てる方がこっち的には最高だったのに」みたいな。なのにイマイチだったのかって言うとがっくりしちゃうじゃん。

二位: 逆に人のライブをみてもそう思ったことある?

鈴木・グレート: あるある! 極端に言っちゃったら観てる側のさ、体調とかさ、その日の気分とかさ、寝起きの時の気分とかそんなんさ全部関係してくるじゃん。

二位: そうだね! その話したかった! いい曲とかいっても、絶対値が決まってるわけじゃなくて体調や環境で変わるものなんだよね。

鈴木: そうそう、電車の乗り継ぎがうまくいったとか。天気とかさ(笑)。

二位: 悲しい事があった後にライブ観て、より以上に感動的だったり。

鈴木: そういうのがあるから。こっちはもうね、一方的にその日の精一杯をやるだけだよね。

竹安: 流れが良すぎたりとかすると滞りなく進む事に対して練習してきてるのに流れが良すぎたりするとなんか「あれ?」

鈴木: あっさりしたなって。

竹安: でも、流れはきちんと上手い事やろうと思ってんのに、あたふたしちゃうところが面白かったりとか、ひっかかりになったりとかする。「最初からどうでもいいじゃん」ってやっちゃうと、本当にどうでもいいステージになっちゃうよ。

二位: 特にフラカンとかだとさ、ツアー先での色んな事件とかも聞こえてきてさ。

グレート: 事故とかね(笑)

二位: 次はどんなライブを演ってくれるんだろうとか? 骨折した? 演れんの?とかって。

竹安: そうそう、事件・事故。狙いじゃないところでね(笑) 。

グレート: 骨折とかはあまりにも厳しすぎたけど。ちょっとしたアクシデントはあった方が良いライブになるとは思う。ギターがちょっと間違ったり、弦が切れたりとか歌忘れちゃったりとかさ。

鈴木: 1曲飛ばしちゃってギターが、違う曲始めちゃうとかね。

グレート: そういうこともあんだけど、それぐらいどうってことないじゃないですか。

二位: 確かに。聞けなかった曲、次やるからまた観に来てくれって言っているようなもんだね。

 

全くもってライブ出来なかった事ってあるの?

竹安: 1回あの、お客さんが消防のボタン押しちゃって電源が全部落ちた。

鈴木: あったあった!

竹安: 20分くらい。

鈴木: 生音でやったんだよね。ずっと。3コードのブルース。

竹安: PAの電源が落ちたんだよな。

グレート: PAの電源だったからこっちの音は出とったから。

二位: 明かりは消えずに?

竹安: 明かりも非常灯ついた。消防署の人が来るまで。

鈴木: マイクが生きてないから生音で、ハープ吹いてみたいな。

鈴木: たぶんハープ聴こえていないんだと思うんだけど。

グレート: まあでも、カッコ良かったと思うよ。

一同: (笑)

グレート: 自分でも正直俺らカッコいいなって思ったもん。なんかね、カッコいいと思われるわっていう。

鈴木: 初めてだよね。ブルースやったの。

グレート: 普段ブルースなんてやんないのにさ。「なんだよ、ブルースって」と思うくらいで。

 

「フラカンってすごいよね」とか「こういうことも対応出来るよね」とかいうイメージを強く持っていますが、自分達がバンドを組んだ時に、こういうバンドになりたい、なるであろうって想像したところからすると現状は?

グレート: やってないだろうなっていうのは思っていないけれど、やってるイメージも全くなかったからね。

鈴木: 40のイメージはないね、全く。30ぐらいまではなんとなく。

グレート: 売れようが売れまいが、何かあったし。ただ自分らが30歳超えてメジャーも事務所切れて全国を車で周るようになったじゃん。それもそうなるとは思ってないし、そっから続いて「どうなるかな?」って思った割りには割と感じは良いなって。辛い事も多いし、決して最高の状況じゃないけど、ライブはやれてんなっていうさ。そこら辺はまあまあだなって。最高だとはなかなか思わんのやけどさ。これからは「まあまあ」から、「上手くいくには」どうりゃいいんだろうっていうのが続いている感じ。悪いとはもちろん思ってないしさ。

二位: グレートは運営面めっちゃ相談されるんじゃない? ベースの弾き方とかいうよりも「運営ってどうやるんですか?」みたいな。

グレート: 多いね。「どうやって食ってるんですか?」とかね。

鈴木: 最終的にはその質問になるね~。長く続けていく秘訣みたいな。結局みんなそれを聞きたいのかっていうことになる。

二位: なるよね〜。そういうのが音楽に反映していくっていう事はあるの?

鈴木: 長く続ける事を?

二位: ん~というか、例えば、メジャー会社があってディレクターがいたり、そういう色んな人が携わるバンドっていうのが1パターンあるでしょ? 自分達で運営とかディレクションとか色んな事をやると、もうちょっと生活に密着したようなバンドの活動をして行くと思うの。その中で沸き出来てくる曲って違ったりするのかな?

鈴木: 基本は変わらないと思うな。

グレート: そうだね、また結局、俺らはこの5年ぐらいメジャーに戻っているわけで。まあ正直なんで戻ったかって言われたら色んなアイディアが欲しいからでもあるわけで。

グレート: 自分らだけでやっても、まあまあの事は出来るけれども。さっきの話ではないけど、「まあまあ」なんだけど、「まあまあ」のままじゃ良くないじゃん。先細りもしそうだし。「もうちょっとアイディア何かないかな?」ってね。 4人だけでやっててもさ、年がら年中ライブやっているとさ、なかなかそりゃ前よりもインプット出来なくなってくるじゃん。

二位: 音楽的な?

グレート: 音楽的もだけど。音楽的だけでもなくてさ。

二位: 物販のアイディアとか?

グレート: そうそう。面白いアイディアマンがおったらいいなって。今はそういう人が何人かいるから。そういう人に聞いて。まあもちろん、全部を受け入れる訳じゃなくて。面白いなと思ったところは取り入れていくと「これは今まで気づかなかったところだな」って。

二位: そういう意味では積極的に若い無名な対バンとも演っていくじゃないですか?

鈴木: うん。

グレート: 積極的にしたいね!

鈴木: したい、若いバンドとしたい!

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