最近どっちかっていうと自分たちより大きいバンドとやりたい、メリットある対バンとか言ってね。でもフラカンは可能性があるバンドだったら人気のないバンドともやるよね。そこが物凄くカッコイイ。信頼感があるっていうか、刺激の求め方が違うのかな?

鈴木: う〜ん、やっぱりあれかな。曲がどうとか演奏がどうとかっていうよりも、なんとなく、自分達が昔24歳くらいで東京出てきた時の感じ、昔の自分っていったらカッコつけた言い方になるけど、そういうちょっとさ、東京をさ、東京でひと暴れしてやるっていうギラギラした感じのバンドと当たると嬉しいね。気持ちも高揚する。分かるから。

二位: ある種、思い出すみたいな?

鈴木: そう、この感じかっていう。気づかぬ内にこっちも無くしちゃっているからそういうところを。

二位: それをお客さんからもらう?

鈴木: もらう、もらう。お客さんからもらう。ツアーなんてお客さんからもらわなかったら俺、とっくにやめてるよ。

二位: なるほどね。

鈴木: だってきついもん。

グレート: そりゃワンマンだってそうだし、他人とやる時もそうだし。

鈴木: もうホントお客さんの目だよね。

二位: お客さんの目…?

鈴木: 仕草も全部含めてだけど、俺は特に目かな。

二位: やっぱ、すごいや!! お客さんの目を見ながらやっているってことだよね。

鈴木: 俺はそんなに見えていないんだけれど。スポットが当たってたりしているから。出来る限りいい目をしている子らを見たいよね。だって年に1回とか行けないところだと定番の曲は絶対やりたいから。それこそ「深夜高速」っていう曲だったり、「真冬の盆踊り」っていう曲は何百回ってやっているんだけれど、その人は年に1回しか聴けてなかったりするわけだから。そこにこっちが完全に飽きちゃった体でやっちゃうとダメじゃん。そこをいかに鮮度を落とさずに初めて観る人とかの前でやれるかっていうのが課題。

二位: そこバンドの課題だよね! きっとね。自分達のためだけに音楽をやっていると、やっぱり飽きたってなるんじゃないの? 結果それを解消するのにアレンジから始まって、方向性変えようかとかさ、メンバーチェンジとか、内側に向くね。あげく解散。

鈴木: すごくわかる。

二位: お客さん視点で考えると、やっぱりライブの喜びって目だよね(笑)。

グレート: 大事にしてんのはだから自分らがライブを観に行く時にさ、そのバランスっていうかさ。好きな人とか好きなバンドを観に行った時にこの曲やってくれたらっていう定番は欲しいし、隠れた名曲みたいな欲しいし、いつもやらないような。新曲は欲しいしっていうバランスは考えて行くよな。常にね。

 

小西君はドラムの立場からすると、どこを見てプレイをする?

小西: お客さんもそうですけど、どっちかっていったら中だと思います。歳をくえばくうほど余計にそう思うし。バンドの中。内に向いているわけじゃないけど。特にドラムの人はそうでなくちゃいけないっていうけれど、余計分かってくるというか。

二位: キャッチャー的なポジション。

小西: ドラマーがとっ散らかっちゃったら何にもならなくなるからね。って頭で分かっているんですけど、なかなか上手くいかないですね。でもそれで瞬間瞬間で見えるお客さんが例えば泣いていたりとか分かりやすいぐらいに感動していたりっていうのが見えると、それは俺にもの凄い力になるから。だけど基本は中を。とにかくバンドにとってお客さんは大きいっすよ。

グレート: 泣いてたり、笑っていたり、楽しそうだったり。どっちにしてもね。

小西: たぶん僕らはそういうのが好きなバンドなんじゃないかと思う。

 

突然だけど竹安君のギターヒーローは?

竹安: ギターヒーロー? 我々世代って情報が極端に少なかったから最初に好きになったものが絶対的っていうか。僕らなんて「エリック・クラプトン」。なぜかっていうとギターの神様って言われているから。「クラプトンすげぇんだ!」って。最初はみんな誰かになりきっていたと思う時代だし。さっきの対バンの話じゃないけど、今の若い人って凄いところが、曲のためにギターを弾いてんだよね。

一同: あ〜っ!

竹安: この曲のためにこのフレーズとか。だから色んな情報を上手くこう…

二位: 引き出しもいっぱいあってね。

竹安: うん、そう。 ギターっていうポジションから楽曲に対して、昔の我々世代とかは「この人、絶対キースリチャーズ好きでしょ?」とかあったじゃん。

二位: とくにギタリストはあったね(笑)。バンド自体もね何々っぽいよってのがね。

竹安: そういうのが今でも好きだけどね。若い人の凄さっていうのはインプットいっぱい持ってていいけど。成りきらずに、「楽曲に向けてギターを弾いているだけ」っていうのがあるんだよね。

二位: それサポートギター? みたいなね。 サポートって言葉も嫌いだなあ。「掛け持ちじゃん」って(笑)。

 

コード進行とメロディがあって、それに合うもの探しみたいなアレンジ。なぜそういうふうにならなかった世代なんでしょうかね?

グレート: 情報が少ないのが大きいよね。

鈴木: 処理能力がないんだよ。

竹安: あの頃でも十分にあったって思ってたんだけど、この加速度的な情報の凄まじさ。

鈴木: この5年ぐらいじゃない? iPodとかが出てからじゃない? 凄いの。

グレート: YouTubeだね!

鈴木: YouTubeか!

竹安: 好きになっても音聴いた事ないんだよ。伝説のやつのね。アナログのCDも再発は順次。名盤から。それを聴くためにはもう何年越しかでやっと聴けたとか。

二位: そういう時代だよね。レコード屋さん行っても無かったりね。

竹安: 今、検索すればどんな音でも聴けるっていうね。

グレート: それがYouTubeでCD化されていなくても。そういうのもよくあるっていうから。

竹安: それは使うわな!って感じもするし。我々世代のあの「この人好きになったらその人になりきるみたいな雰囲気」も未だに。

二位: レコード聴いてもいないのに、写真だけで勝手に好きになったりね。

竹安: もちろん!もちろん! ギター・マガジンとか見ながらね。

鈴木: だって服装から真似するもんなみんな。

グレート: 今あんまりそういうのないもんな(笑)。ロックバンドみたいな服が無いんだもんな。いつのまにか。Tシャツとかが増えちゃったから。

鈴木: 蘭丸(ストリートスライダース)みたいな恰好してる人、今いないもん。

グレート: そうだよな〜

鈴木: 昔すげぇ多かったもん。エスニック? インドっぽい恰好したりしてさ。

二位: グレート印のオーバーオール流行らせよう!?

グレート: オーバーオールは発売したいけどね(笑)。やっぱり売れんでしょう(笑)。

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