そして、いよいよコレクターズになってコータローさんは少し後から入っているんですよね?
2009.10.12 -oneman-古市: そうですね。
加藤: そうです。半年くらい。前のTHE BIKEってバンドやって
いる時からコータロー君のことは知ってて、ただ、コレク
ターズはもう違うメンバーでやるってことを決めていて、
でも蓋あけてみたら、あけた瞬間に意見が合わなくて、も
うこれはダメだと。始めて2、3ヶ月でこれどうにかしな
きゃなと思っている時に、コータローくんに意見求めて
ね。「どう思う?」って。「これじゃダメだよね」って
なって。そこで一緒になろうかってなって。
二位: やっぱり意気投合感というか、その瞬間に、あー来た! みたいなのってありました?
加藤: 来たっていうか、自分たちの音楽っていうか僕のやっている音楽をまず好きになってもらわないこと
には、バンド始まらないなって思っていて。THE BIKEをコータローくんが見に来て「凄くいい」っ
て言ってくれていたので。やっぱりそういう人じゃないと一緒に出来ないじゃないですか。
二位: 歌い手を好きなギタリストが来れば。
加藤: そうじゃないと続かないですよね。僕がすごく売れてる人で、コータローくんもギターでならしてて
「僕とやらない?」みたいな話じゃないからね。そんなことから始まりでしたね。
古市: あの頃やっぱりギタリストはボーカリストを探してるし、ボーカリストはギタリストを探してました
よ。リズム隊がどうでもいいってわけじゃないんだけど、やっぱり2トップ決まらない限りはどうし
ようもないってことを、我々フロントマンは知っているわけですよ。だからずっと探してるわけだよね。
加藤: うん。だからTHE BIKEの解散も結局はギタリストとの力量の差みたいなものを一番感じたからこれ
以上伸びないなって思って。苦渋の選択で解散していくからね。
2009.07.23 with 騒音寺二位: コータローさん入ってからあっという間ですよね?
加藤: コータローくんが入って1年も経たないくらいで、デビュー
が決まりましたよ。
古市: そうですね。1年経たないくらいでもうレコーディングし
てたよね。
加藤: そうだね。本当に10ヶ月後くらいかな。それまで積んでき
たものが良かったのかなって思います。
THE BIKE時代からの。そして、僕がTHE BIKEの時にやり
たかった事がようやく伝わるフィルターが出来たのかなってなんとなく思いました。初期の曲はTHE
BIKEの時の曲ばっかでしたし。
古市: 世の中が求めている音楽の資質が僕たちの音楽に近くなってきたというか、その時のブームがちょっ
とレトロ志向っていうのかな。
加藤: いいタイミングでっていうのは変だけど、そういうのがあったよね。
二位: コレクターズがデビューした後、急に全く違うイカ天とか、宝島ムーブメントとかドカーンと起きる
じゃないですか。その時って何か感じました?
加藤: まずね、時代的な感じで説明していくとね、宝島のムーブメントがラフィンノーズが始まりだとする
と、コレクターズがデビューする前、つまりブルーハーツがデビューする前に1回あるんですよ。
で、ここで85年くらいの話だよね。そこでなんとなくインディロックが盛り上がるんだよね。そこ
からインディというかバンドに世間が目を向けているんだよね。それがあったからブルーハーツとか
も爆発的に売れた気がする。それで僕たちも頑張れたし。そういうインディバンドにレコード会社が
目を向けている時で。
二位: その時代については割と好印象?
加藤: 好印象っていうよりも、何か動きがあるなって言うかんじはあった。それまで僕たちがいわゆるラ
フィンノーズが出てくるまでは、屋根裏で演奏していても誰も見に来ないっていうか、誰も気にかけ
てない気がしてた。ところがあの時代からはようやく小さなインディーズみたいなのが芽生えたのか
なって気がした。キャプテンレコードがのし上がって来て、半分メジャーみたいなそういう印象に
写ったからね。周りのバンドからもキャプテンレコードからリリースすることを鼻にかけるような人
たちが出てきたからね。その辺からジワジワ来ていて。
古市: それがイカ天で終わるんだよね?
加藤: そうそう。それでブルーハーツが87年の春先にデビューして追っかけるようにコレクターズは11月
にデビューしてその間にレピッシュが居たり、ちょっと前にプライベーツがデビューしたり。なんか
そのブルーハーツの大成功を見て、世間が本当に目を向け始めて、そこからイカ天が始まった気がす
2009.01.18 -oneman 2days- る。とにかくバンドをスター誕生みたいに集めたかったんじゃない。
二位: 僕はもっとチクショウみたいな感じもあるのかなって思ってたんです
が、そういうのはあまりなかったですか?
加藤: うーん。僕はあまり関わり合いたくなかったな。逆に。
古市: 番組だし、やらせ半分だろみたいな事も思ってたよね。
加藤: うーん。というか、僕たちとは違うフィールドだよねって思ってたね。
二位: 僕ら、ちょっと下の世代からすると、すごくいい音楽がバンバン出て来
て日本のロック最高じゃないとか思っていたのが、急にダメにされちゃった
というか、僕たちの世代だとなんだかチクショウ感があるんですよ。
古市: うん。その気持ちもわかる。
加藤: なんか89年くらいから、宝島とかもそうなんだけど、なんでもかんでも売ってやれみたいな感じが
あって、僕たちの周りのバンドでも、あまり人気無かったバンドでもどんどんデビューしていくんだ
よね。質とか問わずに出してたから、これはちょっとやりすぎなんじゃないの? とは思ってたね。
けど常に僕らは冷静だったね。ムーブメントに対して。別に向こうも僕らの事呼んでないし、僕たち
にも必要なかったし。
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