なるほど。では時代を進めて、今率直にどんな感じですか?
加藤: バンド自体はね、デビュー27年で、この春先に23年居たベーシストが居なくなり、3人目のベーシス
トに手伝ってもらってやっていて、傍から見れば波乱に見えるかもしれないけど、あんまり変わらず
ですね。
二位: レコーディング寸前だったんですよね?
加藤: 寸前! 2週間くらい前です。でも特に動じる事もなく、予定通りやろうよって始まって、良いアル
バムが出来て、そのメンバーでツアーを廻り、あまり変わりない感じがする。
二位: 変わりない感じ。それがコレクターズの強さですよね。
加藤: うーん…自分ではね。けど今度は数字として、動員だったり売上だったりのところが結果として、自
分たちに跳ね返ってくるわけだから、今はこんな事言ってるけど、もし状況が悪くなったりすると、
考え始めるのかな? って気もするね。考え始めたところで、どうしようもないんだけどね。
二位: コレクターズの皆さんって動じないですよね。特にここのお2人。うーん。阿部くんも動じない(笑)。
加藤: 阿部くん動じないね(笑)。
古市: 阿部くんは事情わかってないんだよ。常にわかってないんだよ(笑)。小里くんのことだって辞める
ときまで知らなかったんだから。
加藤: まあ、自分の事しか知らないからあの人は(笑)。まあ、メンバーチェンジなんて1回でもしたくな
いし、ほんとに交通事故みたいなもんで、急に何か起っちゃうんだよね。どんなバンドも人も経験す
2007.04.11with うつみようこ&YOKOLOCO BAND ることだからさ。
二位: 普通に運転していても交通事故みたいなことはありますもんね。
加藤: でも、それにいちいち落ち込んでいるほど金もないし、まだ道半
ばなんでね、あんまり気にしてないってところが本音なんです。
二位: その度胸っぷりの良さを培ったのはいつ頃ですか?
加藤: 2つ目の事務所をたたむ時に、すごくショックだったんです
よ。もう病気になるくらい。それはなんでかというと、10年
以上も世話になった事務所だったので、自分の中の意地とし
て、その事務所に居る間に売れたかったんですよ。売れて
「皆にもコレクターズやって良かったでしょ?」って言いたかったですね。もちろんメンバーにも。
それが出来ずに終わっていくのがものすごくショックだったし、あまりにその事務所が長かったの
で、ファミリーみたいになっていて、そこから離れていくのがあまりに不安で、どうしていいのか分
からない感じでした。
二位: その瞬間メンバーのみになったんですか?
加藤: コータローくんがバンドを仕切ってくれて。運営の部分でね。1年くらいずっとやってくれてたんで
すよ。それで初めてなんとなく地に足がついたっていうか。あんなにデビューの時に苦労して給料5
万しかもらってなかったのにうきうきしてた。その頃は全然苦労じゃなかったんだよ。それがある
時、5万より稼いでいるはずなのに、どうしようこれからって気持ちになりましたね。それをクリア
出来た時に、この先もどうにかなるんだな「一生懸命やれば」みたいな気持ちになったね。
二位: コータローさんは自信ありました?
古市: 絶対的な自信はあったよ。音楽的なね。既にコレクターズが1つの会社なので、会社っていうのは潰
しちゃいけないんですよ、そんな簡単に。それは小里くんの時も同じことを思ったし。当たり前の事
しかしてないんだよな。潰さない為に動くみたいな。
二位: 自信が有るとか、無いとかよりもやるべきことをやると。
古市: やっぱり僕らは最高の音楽をやってるんだって信じてないとそれは出来ないじゃない。そこだけは揺
るぎなく有るんだけどね。
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