【上田健司】
二位:ちなみに上田健司さんの最初の印象は?
松本:目つきも悪いし…。やっぱ怖かったよね~。
石原:うん。けど歳がひとまわりくらい違うので、いいおじさん…。おじさんでもないか(笑)。その
頃まだ30代前半くらい? また怒られる。
松本:34歳とか35歳とかだったかな。二位さんと同い年でしたっけ?
二位:いや、俺が一つ下です。だから32歳くらいなんじゃない?
石原:今の俺らより若いってことか…。
松本:俺ら下北に来る前は結構ケチョンケチョンに言われてたんですよ。なんでヨレヨレのTシャツ
で歌ってるんだとか、何でボーカルなのにデブなんだとか。ちゃんと音楽聴いてくれなく
て…。それを最初に褒めてくれたのが上田さんですからね。ミュージシャンとしてお前らめっ
ちゃイイぜって言ってくれたのが。
石原:ほんと色々面倒みてもらってましたからね。レコーディング中はメンバーみんなで家泊まらせ
てもらってましたし。
松本:1週間とかね。
石原:帰れなくなっちゃうんで。まだ埼玉に住んでたんで。そしたら「うちに泊まってけ!」って。
二位:上田さんとの出会いはでかいね。
松本:でかいですね。メジャーデビューするまで、してからもか…。上田さん家行ってCDを山のよう
に借りて帰って録音して(笑)。あと、上田さんが仕事でいないのに俺たちは別に仕事ないから
上田さん家でずっとCD聴いてるっていう事とか(笑)。
一同:(笑)。
石原:「お前ら、部屋汚くすんじゃねえぞ」って言われてましたね。
松本:で、そのとき…‟***********“。
石原:「あ、おはようございまーす。」みたいなね。
二位:これ書けない…(笑)。
松本:上田さんがいろんな人に紹介してくれてたから、初めて会った先
輩バンドの人とかに話すのも、すごく話しやすかったってのはあ
りますね。
二位:なるほどね。
松本:それで、みんなこいつはこういう風にイジっていいんだなってい
うのがわかってくれるのが早いんで、そこも甘えて、わざとイジられるようにね。
二位:でもそれに耐えられる体力ないとね。気持ちって必要だよね。
松本:嫌いじゃなかったし、あと、そんなのどうでもよかったっていうのも一つあって、バンドがや
れてるから。CDも出したいしデビューもしたかったですけど、それよりもライブが出来る喜び
の方が大きくて、そういうふうに自分たちを売り込んでいくっていうのも、嫌じゃなかったで
すね。でも表裏は全然なかったですね。この人と仲良くなれば、何かおいしい話にありつける
かなとか、そういうのは一切なかったですね。
石原:全くなかったね。やっぱりその頃って10代とかまだ20代にもなってなかったから、同い年くら
いの人がいないんですよ。だいたいみんな先輩だったんで。
【事件!】
二位:その上田さんのGOING愛が、ものすごくわかる事件がありましたね~。
松本:はい~。なんていうか、ライブをやるのはみんな一生懸命やって。どのミュージシャンもみん
なそうじゃないですか。そのあと「打ち上げやる」って残って、俺ら基本的にQueでライブ
やったら朝まで帰れないから、居るっていうのが当たり前で、その日も上田さんが観に来てく
れてて、みんなで楽しく打ち上げしてたら、各テーブルで面白いことが始まって。事の発端は
全部二位さんなんですけど…(笑)。イベンターのバイト君が俺の横にちょこんと座ってきて
「お疲れっす」って見たら、鼻から血が出てるから、「どうしたんですか…顔?」って聞いた
ら、「俺、ちょっとやらかしちゃって、二位さんに殴られてきました」って神妙な顔で俺に
言ってきたから「おいおい、二位さんこんな楽しい夜に何してんだよ!」っと思って。しかも
二位さん、噂通り怖いんだなって俺らも恐縮してたら「ウソでーす」みたいになって「騙され
たー!」ってなったら二位さんが「素生たちもドッキリやるっ!?」って言ってきて。俺らも
メンバーにはよくドッキリやってたから「よし、じゃあ俺とKeyの洋一が喧嘩した」っていう
ことで、みんなが止めに入るくらいのやつやろうってなって。
二位:(笑)。
松本:お尻はおもいっきり蹴っていいってことにしたから。迫真の演技だったでしょ。
石原:ちなみに俺は知らなくて「あれ? これうそかな? 本気? 止めたほうがいいのかな?」っ
て思ったんだけど でもちょっとしたら「いや…ウソっぽいっ」(笑)。
松本:それで、楽屋から転がり出てきて、「ふざけんじゃねーよ!」とか言いながら階段へ。その
後、階段から「みんな引っ掛かったー!」って降りてきたら、上田さんが、何も言わず俺たち
の前にツカツカってやって来て、まず腹殴られたの(笑)。腹殴られて、「うっ。」ってなっ
たところをアッパー決まって。
二位:上田さん熱くなっちゃって事実を確認せずに「なに喧嘩してんだ! この大事なときに!」っ
て真剣だもん。
松本:そうです、そうです。あのときのQueの静けさったらなかったよね。
石原:シーンとして、バックミュージックだけ流れててね。
二位:俺、うしろで「演技、演技、ドッキリ」って言って、ことが終わって、すこし冷静になったと
きの上田さんの表情が面白かったよ「ん?」みたいな。理解したんだけど、もう感情どうにも
出来ないみたいな。
松本:え! 冷静になったんですか! 俺はもうその後のこと記憶ないな、ショックすぎて。
石原:俺も。固まってましたもん。
松本:翌日、上田さんに謝りに行ったら「俺もごめんな」って。あと、覚えてるのはグレさんかな。
二位:グレースはしょっちゅうね。
松本:グレさんって最初何者かわかんないじゃないですか。打ち上げしてたら、いきなりリーゼント
の大きい、怖いんだか面白いんだかわかんない人が来て一応、みんな知り合いっぽいんだけ
ど、あの人どこの誰ですかみたいなね。
二位:謎の人物多いからね。下北はね。色んな人間模様が絡み合ってね面白いんだね。
Copyright © CLUB Que SHIMOKITAZAWA All rights reserved